利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.16】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22MS0011

利用課題名 / Title

安定発光性ラジカルPyBTM及びF2PyBTMのパラ置換による新たな光物性開発

利用した実施機関 / Support Institute

自然科学研究機構 分子科学研究所 / IMS

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed

キーワード / Keywords

発光、二重項,ナノフォトニクスデバイス,太陽電池


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

服部 陽平

所属名 / Affiliation

龍谷大学先端理工学部応用化学課程

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

北島 稜大

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

草本 哲郎

利用形態 / Support Type

(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

MS-305:金属錯体


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

安定発光性ラジカルは高効率の有機EL発光をはじめとする二重項状態由来の特異な発光特性が期待される有望な発光材料である。申請者は、PyBTM及びF2PyBTMのラジカル中心に対してパラ位の塩素を嵩高いアリール基に置換することで発光効率を大幅に改善できることを発見したので、その開発を行ってきた。

実験 / Experimental

マテリアル先端リサーチインフラ(ARIM)利用においては、発光材料の応用に欠かせない耐久性の指標である光安定性の測定と、発光課程について物理的な議論を行い発光効率改善の余地を探るために欠かせない発光寿命の測定を行った。5種類以上の新規安定発光ラジカルについて光安定性と発光寿命の測定を行っている。

結果と考察 / Results and Discussion

ジメチルフェニル基を置換したF2PyBTMの光安定性は、F2PyBTMと同程度であることがわかった。一方、ビフェニル基やジメトキシフェニル基といった電子供与性の置換基を置換することで、ラジカルの光安定性が向上することがわかった。またこれらの安定発光ラジカルの蛍光寿命については、ジクロロメタン中での蛍光寿命がそれぞれ26 ns, 15 ns, 12ns、クロロホルム中での蛍光寿命がそれぞれ26 ns, 14 ns, 22 nsであるとの結果が得られた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)



成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Sara Mattiello, Enhancement of fluorescence and photostability of luminescent radicals by quadruple addition of phenyl groups, Journal of Materials Chemistry C, 10, 15028-15034(2022).
    DOI: 10.1039/d2tc03132a
  2. Yohei Hattori, The simplest structure of a stable radical showing high fluorescence efficiency in solution: benzene donors with triarylmethyl radicals, Chemical Science, 13, 13418-13425(2022).
    DOI: 10.1039/d2sc05079j
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 1.服部 陽平, 北島 稜大, 松岡 亮太, 草本 哲郎, 大田 航, 佐藤 徹, 内田 欣吾,「パラ置換PyBTMラジカルの蛍光増強」2022年光化学討論会(京都大学 桂キャンパス), 1B03, 2022年9月13日
  2. 2.服部 陽平, 北島 稜大, 松岡 亮太, 草本 哲郎, 内田 欣吾, Sara Mattiello, Luca Beverina,「メタパラ両置換F2PyBTMラジカルの発光特性」第32回基礎有機化学討論会(京都パルスプラザ), 2C08, 2022年9月21日
  3. 3.服部 陽平, 北島 稜大, 松岡 亮太, 草本 哲郎, 内田 欣吾,「PyBTMラジカル誘導体のパラ置換基が高効率溶液蛍光特性に与える効果」日本化学会第103春季年会(東京理科大学 野田キャンパス), K602-1PM-05, 2023年3月22日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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