利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.07.22】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23YG0047

利用課題名 / Title

PA6/PA66超多層フィルムの成形性と機械特性

利用した実施機関 / Support Institute

山形大学 / Yamagata Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials

キーワード / Keywords

ポリアミド,フィルム,多層,成形/ Molding,コンポジット材料/ Composite material,高強度・生分解性プラスチック/ High-strength, biodegradable plastic,異種材料接着・接合技術/ Dissimilar material adhesion/bonding technology,高強度・生分解性プラスチック/ High-strength, biodegradable plastic


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

白井 匠

所属名 / Affiliation

山形大学工学部高分子・有機材料工学科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

YG-008:力学試験機
YG-006:513層多層押出成形金型
YG-001:ツインドライブ型レオメータ
YG-002:共押出システム


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

ポリアミド(PA)は半結晶性の熱可塑性樹脂で、機械強度、耐摩耗性、耐薬品性、耐熱性に優れ、特にPA6は成形性にも優れることから食品包装フィルムに広く用いられる。高分子フィルムは様々な性能が求められるが単層ではそれらを満たすことは困難であり、しばしば多層化が行われる。共押出法による多層化は結晶構造へ影響を与えるとの報告もあり、新たな高機能化の手法として期待される。本研究ではPA6およびPA6に比べて機械強度に優れるが一般に溶融張力の低いPA66を組み合わせた超多層フィルムの成形を行った。ここではPA6/PA66=80/20の超多層共押出(3、33、129、513層)が、フィルム成形性とフィルム強度にどのような影響を与えるか検討を行う。

実験 / Experimental

試料はポリアミド6(PA6)とポリアミド66(PA66)を用いた。二台の押出機(共押出システム、装置ID:YG-002)と513層多層押出成形金型(装置ID:YG-006)による共押出法を用いPA6を最外層として、3、33、129、513層のフィルムを成膜した。厚み計を用いてフィルムの幅方向に対する厚み分布の測定、粘弾性はツインドライブ型レオメータ (装置ID:YG-001)を用いて270℃にて測定を行った。機械特性は力学試験機 (装置ID:YG-008)を用いてMD(Machine Direction)とTD(Transverse Direction)それぞれの一軸引張試験 (10mm/min)を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

図1にPA6、PA66、PA12の270℃における複素粘度を示す。PA66はポリアミド樹脂のなかでもっとも優れた機械的強度を示し、耐薬品性も有する材料として知られているが、図1のように粘度が低く、溶融張力に劣ることが分かる。押出機のダイの幅をW1、冷却後のフィルムの幅をW2とすると、ネックイン比はW2/W1で表される。PA6単体およびPA66のネックイン比はそれぞれ0.78、0.58でありフィルム端部の収縮が大きく、厚みが大きくなり中央の厚みが均一な部分がかなり小さくなり、フィルム製膜性が劣ること分かった。一方、PA6とPA66の重量比を80/20とし、513層とするとPA6と同等にネックインが抑制され、厚み分布の変動係数はPA6が0.20、PA66が0.42に対し多層フィルムでは0.21とPA6単体と同等であった。今後、強度等のフィルム物性の評価を行う。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 PA6、PA66、PA12の270℃における複素粘度


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 山形大学工学部高分子有機材料工学科 卒業研究発表会 R6.2.14.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る