【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.21】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23UT1196
利用課題名 / Title
第一原理計算とX線光電子分光法による金属/絶縁ポリマー界面の電荷注入障壁の解析
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
絶縁ポリマー,エレクトロデバイス/ Electronic device,高品質プロセス材料/技術/ High quality process materials/technique,スパッタリング/ Sputtering
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
片瀬 大祐
所属名 / Affiliation
東京大学工学系研究科電気系工学専攻
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
UT-711:LL式高密度汎用スパッタリング装置(2019)
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
X線光電子分光法(XPS)によって金属から絶縁ポリマーへの正孔注入障壁を測定する手法を開発し,この測定結果と第一原理計算から得られた正孔注入障壁の解析結果を比較することで,測定手法の妥当性を検証した。また,得られた結果からAu/絶縁ポリマー界面の電子準位接続(バンドアラインメント)の決定要因について検討した。
実験 / Experimental
Au/絶縁ポリマー界面をXPSによって測定するため,厚さ4 nm程度のAu薄膜をポリマーフィルム上に製膜した試料を作成した。XPSは非常に表面敏感な測定手法であるため,Au膜厚を数nm程度に制御する必要がある。このため本研究では,スパッタリング装置CFS-4EP-LL i-Millerを用いてAu薄膜を作成した。作成した試料の概観をFig. 1に示す。
結果と考察 / Results and Discussion
XPSによってAu/絶縁ポリマーの正孔注入障壁の測定を行い,これと並行して第一原理計算による界面のバンドアラインメントの解析を行った。それぞれ得られた結果をFig. 2に示す。図より,XPSによって測定された正孔注入障壁と第一原理計算により計算された正孔注入障壁の値は良い一致を示していることがわかる。また,各界面における真空準位シフトは小さかったことから,絶縁ポリマー分子の共役系や極性基の有無に依らず,界面におけるバンドアラインメントは金属とポリマーの真空準位が一致するように決定されることが示唆された。また,今回測定対象とした絶縁ポリマーの中ではPTFEのみが界面の金属-ポリマー間の結合の有無によって正孔注入障壁の計算結果が1eV以上変化した。これはPTFE中のフッ素の電気陰性度が大きいことに由来すると考えられる。これらの成果は文献にて発表済みである。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1. Schematic diagram of samples prepared with CFS-4EP-LL i-Miller for this study. Thin Au layer (around 4 nm thick) was deposited so that XPS measurement of the Au/polymer interface.
Fig. 2. Hole injection barrier at Au/polymer interfaces obtained by XPS measurements and first-principles calculations. Computational result of Au/PTFE interface using chemisorption model is shown in star-shaped marker.
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
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D. Katase, Probing the Band Alignment at the Au/Polymer Interface, IEEE Transactions on Dielectrics and Electrical Insulation, 30, 2923-2925(2023).
DOI: 10.1109/TDEI.2023.3330447
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件