利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.14】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23UT1187

利用課題名 / Title

カーボンナノチューブの薄膜応用

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

電子分光/ Electron spectroscopy,ナノチューブ/ Nanotube


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

千足 昇平

所属名 / Affiliation

東京大学工学部機械工学科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

西田征矢,嶋田優作,遠藤剛史

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-854:オージェ分光分析装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

カーボンナノチューブ(Carbon , CNT)は柔軟な透明導電膜を作製するための素材として期待されている.CNTの薄膜を作製する手法としては,CNTの分散液を用いる方法がその汎用性の高さから主に用いられている.一方で分散剤の使用や超音波による分散処理による短尺化によって薄膜の電気抵抗が大きくなるという問題がある.そこで本研究課題では,そうした問題を克服した上でより電気抵抗の小さいCNT薄膜を作製する新たな手法の開発を目的とする.現在開発している手法では添加剤を加える必要があり,CNT薄膜にどの程度添加剤が付着しているかを調べるためにAESを用いて分析を行った.

実験 / Experimental

PDMSを添加したCNT/DMF分散液からCNT薄膜を液面に作製した.PDMSに特徴的な元素はSiであるため,CNT薄膜を保持する基板としてシリコン基板ではなくTEMグリットを用いた.掬い上げるようにして薄膜をTEMグリット上に保持させ,薄膜に付着したPDMSの存在を確認するためにオージェ電子分光法による計測を行った.

結果と考察 / Results and Discussion

Cが存在している場所と同じところにSiやOも存在していることから,CNTの周囲にPDMSが多く付着していたことがわかった.PDMSを溶解可能なヘキサンを用いてCNT薄膜を洗浄したところ,薄膜の電気抵抗が低下したことから,PDMSがCNT同士の間に入り込み,電気伝導を阻害していたことが明らかになった.図に(a)TEMグリッド上のCNT薄膜のSEM像と,(b)aと同じ場所における各元素存在量のマッピング像を示す.

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図(a)TEMグリッド上のCNT薄膜のSEM像



図(b)TEMグリッド上のCNT薄膜における各元素存在量のマッピング像


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. *Seiya Nishida, Yusaku Shimada, Tsuyoshi Endo, Ryotaro Kaneda, Keigo Otsuka, Shigeo Maruyama, Shohei Chiashi, "Fabrication mechanism of CNT transparent conductive films by filtration at the interface between phase-separated liquids," Fullerenes-Nanotubes-Graphene Genaral Symposium (FNTG 66) (Nagoya, Japan). poster, 期間20240306-20240308
  2. *Y. Shimada, S. Nishida, T. Endo, K. Otsuka, S. Maruyama, S. Chiashi, (15D-2-4) "Surfactant-free fabrication of CNT thin films on bilayer interface by utilizing dispersibility difference in solvents ," 36th International Microprocesses and Nanotechnology Conference (MNC 2023) (Sapporo, Hokkaido, Japan), oral, 期間231114-231117.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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