【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.28】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23NM5298
利用課題名 / Title
スマートポリマーの構造解析および生化学的評価
利用した実施機関 / Support Institute
物質・材料研究機構 / NIMS
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials
キーワード / Keywords
電子顕微鏡/ Electronic microscope,DDSマテリアル/ DDS material,ウエアラブルデバイス/ Wearable device,ナノ粒子/ Nanoparticles,ナノワイヤー・ナノファイバー/ Nanowire/nanofiber
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
荏原 充宏
所属名 / Affiliation
物質・材料研究機構
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
池田 直樹,藤井 美智子
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
NM-647:FE-SEM+EDX [S-4800]
NM-648:FE-SEM+EDX [SU8000]
NM-649:FE-SEM+EDX [SU8230]
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
本研究では、Global Healthに向けた革新的技術の開発のため、安定した電気供給や清潔な飲料水などの入手が困難な低インフラ地域(途上国や被災地)などでも利用可能な新規医療機器の開発に取り組んでいる。具体的には①低インフラ環境においても駆動可能なウェアラブル血液浄化装置の開発および、②がんの温熱療法・化学療法の併用を体外から遠隔でコントロールできるナノファイバーメッシュの開発である。①、②ともに合成高分子で構成されたナノファイバーメッシュを電解紡糸法で作製した。エレクトロスピニング法はニードルから押し出されるポリマー溶液に高い電圧をかけ、ポリマー溶液がファイバー状に噴射させることによって繊維を得る方法である。ナノファイバーの母材となるポリマーや溶媒など、紡糸条件を最適化することで、低分子薬からタンパク質、磁性ナノ粒子などの無機物まで幅広い物質を内包可能である。ここで①には血中尿毒素を除去する吸着剤(無機物)をナノファイバー内に担持させることで、透析療法を用いずとも血中から直接尿毒素を除くことが可能になる。②では、化学療法のための抗がん剤(有機物)及び磁性ナノ粒子(無機物)を同時に担持させ、薬剤投与量をコントロールした長期化学療法及び交流磁場照射による磁性ナノ粒子の発熱を利用した温熱療法をコントロールすることで温熱療法・化学療法の併用が可能になる。
本課題では、作製したナノファイバー表面の微細構造の観察とファイバーの直径をSEMで測定することで、ナノ構造特有の性質を活かした次世代バイオマテリアルへの応用を試みる。
実験 / Experimental
各種合成高分子(エチレンビニルアルコール、ポリカプロラクトン等)を任意の有機溶媒に溶解し、それぞれのファイバーに担持させる吸着剤(ゼオライトや活性炭等)や抗がん剤(ドキソルビシン等)、磁性ナノ粒子を高分子溶液に同時に溶解させた。高分子溶液をエレクトロスピニング(20~30 kV)で紡糸することで、均一なナノファイバーメッシュを得た。得られたナノファイバーメッシュをSEMのステージに乗る任意のサイズに切断し、イオンスパッタ装置で金属コーティングを行った。SEM観察には10.0 kVの加速電圧で観察を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
①、②ともにSEM画像から、数百 nm~数 µmの直径のナノファイバーメッシュが確認された。また、ナノファイバー表面構造を確認したところ、すべての担持物質が完全に高分子に覆われていることが確認された。これは①おいては、吸着剤が直接血液に触れることを防ぎながら血中尿毒素を除去することが期待される。②においては、ファイバー径が数百 nmに制御されたことによって、しなやかで患部にフィットするように設計された。また、繊維内に薬剤が限りなく均一に分布していることがEDXより明らかとなり、薬剤の安定した長期徐放が期待される。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
SEM image of EVOH/AST120 nanofibers
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件