【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.19】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23NM5177
利用課題名 / Title
ナノメディシン開発
利用した実施機関 / Support Institute
物質・材料研究機構 / NIMS
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者)/Internal Use (by ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials
キーワード / Keywords
生体由来素材, 生体組織, 高分子系生体材料,電子顕微鏡/ Electronic microscope,走査プローブ顕微鏡/ Scanning probe microscope,核磁気共鳴/ Nuclear magnetic resonance,核磁気共鳴/ Nuclear magnetic resonance,バイオアダプティブ材料/ Bioadaptive materials,生分解性材料/ Biodegradable material,DDSマテリアル/ DDS material,生体イメージング/ In vivo imaging,バイオセンサ/ Biosensor,細胞培養デバイス/ Cell Culture Device
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
山崎 智彦
所属名 / Affiliation
物質・材料研究機構
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
正保 美和子,梅澤 具世,LE Bui Thao Nguyen,PATHAK Soumitra,FERALIANA Feraliana,小宮 英里香,古庄 陵真,金津 尊
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
竹村 太郎,服部 晋也,白井 暢子,李 香蘭
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術相談/Technical Consultation
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
NM-008:プレートリーダー
NM-009:分光光度計
NM-012:円二色性分散計
NM-004:共焦点レーザー走査型蛍光顕微鏡
NM-005:液中原子間力顕微鏡
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
生体内で機能を発揮する核酸、ペプチド、蛋白質などの生体由来分子をベースとした新規分子を開発し、材料と融合させることによりバイオアクティブ材料を構築している。開発した新規材料の物性ならびに細胞での機能を解析するために利用する。合成した材料について、分析装置を用いて物性評価、また動物細胞を用いて機能や安全性評価を行う。
実験 / Experimental
グアニン四重鎖構造を形成し、免疫細胞を活性化するためのCG配列を導入した核酸を合成し、マウスマクロファージ細胞株ならびにヒト末梢血単核球細胞を用いて、免疫活性化によって分泌されるサイトカイン類の分泌量をELISA(Enzyme-Linked Immuno Sorbent Assay)を用いて評価した。ELISAではペルオキシダーゼ標識した抗体を用いてサイトカイン類の分泌を定量し、その検出にプレートリーダーを用いた。また、免疫を活性化する核酸分子の2次構造の解析には円二色性分散計を用いて、グアニン四重鎖構造のトポロジー解析を行った。また、動物細胞への核酸分子の取込は蛍光標識核酸を用いて、細胞に取り込まれた核酸の細胞内分布と量の定量を共焦点レーザー走査型蛍光顕微鏡を用いて実施した。
結果と考察 / Results and Discussion
グアニン四重鎖構造に存在する3つのループ領域の1箇所に免疫を活性化する配列(CpGユニット)を導入することで、高次構造が変化するかを円二色性分散計を用い解析した結果、グアニン四重鎖構造は維持されるが、配列によってトポロジーが変化する結果が得られた。また、共焦点レーザー走査型蛍光顕微鏡での観察の結果、グアニン四重鎖構造を形成する核酸分子はランダム構造の核酸分子と比較して、細胞内に効果的に取り込まれることが示された。また、核酸の機能の評価を動物細胞を用いて行った結果、グアニン四重鎖構造を形成してループ部分にCG配列を導入した核酸分子は、ランダム構造の核酸分子と比較して、インターロイキン6を有意に誘導することが示された。これらの結果から、グアニン四重鎖構造は免疫を活性化する配列を細胞にデリバリーするために有用であることが示された。今後は、ワクチンアジュバントへの応用を目指した動物実験を進める。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
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Nguyen Bui Thao Le, Influence of the Charge Ratio of Guanine-Quadruplex Structure-Based CpG Oligodeoxynucleotides and Cationic DOTAP Liposomes on Cytokine Induction Profiles, Biomolecules, 13, 1639(2023).
DOI: 10.3390/biom13111639
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Anchu Viswan, Efficient genome editing by controlled release of Cas9 ribonucleoprotein in plant cytosol using polymer-modified microneedle array, Biochemical and Biophysical Research Communications, 686, 149179(2023).
DOI: 10.1016/j.bbrc.2023.149179
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件