利用報告書 / User's Report

【公開日:2023.08.03】【最終更新日:2023.05.22】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22NR0028

利用課題名 / Title

混合セメント硬化体の水分状態測定

利用した実施機関 / Support Institute

奈良先端科学技術大学院大学

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

低温DSC測定、セメント材料、空隙構造


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

胡桃澤 清文

所属名 / Affiliation

北海道大学大学院工学研究院環境循環システム専攻資源循環工学講座

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

藤原正裕

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NR-701:示差走査熱量計・示差熱熱重量同時測定装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

セメント系材料の空隙構造を測定する手法として水銀圧入法が広く用いられてきたが、環境への影響を考慮すると水銀を使用しない手法が求められている。また、水銀圧入法では測定前に試料を乾燥させるため測定結果は乾燥試料の空隙構造を測定している。そのため乾燥工程及び水銀を使用する必要がない手法としてサーモポロメトリー法があげられる。サーモポロメトリー法は空隙内部の水の凍結融解時に発生する熱量から空隙量を推定するものであり、本研究ではこの手法を各種セメント硬化体に適用した。

実験 / Experimental

使用材料と試料作製:セメントは普通ポルトランドセメント(OPC)、高炉B種セメント、フライアッシュB種セメントを用いた。練り混ぜ水には純水を用いた。水粉体比(W/B)は0.5とし、養生は20℃封緘養生を28日間行った。練り混ぜはミキサーを用いて行い、練り混ぜ後所定の型枠に打設を行い、1日後に脱型し養生を行った。
測定概要(1)低温DSC測定 所定の材齢に達した試料を低温DSCにおいて測定を行った。凍結過程では室温から-60℃まで測定を行い、融解過程では-60℃から10℃までの測定を行った。-55℃以下では発熱が確認されていないためこの温度を採用した。この時いずれも1℃/minによって温度制御を行っている。また、リファレンス試料としてアルミナ粉末を用いた。

結果と考察 / Results and Discussion

図1に凍結過程における潜熱の測定結果を示す。潜熱量は高炉セメントが最も高く、-40℃付近において高いピークが見られた。OPCのピークはほとんど見られなかった。このことから封緘養生を行った場合、内部に存在している水はOPCではかなり少なくなっていることが示された。
図2に融解過程における潜熱の測定結果を示す。融解過程の結果からも水量は高炉セメントが最も高く、OPCが最も低い結果となった。これらの結果から封緘養生を行った試料の内部に存在している水分は高炉セメントで最も高く、OPCが最も少ないことが確認できた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 凍結過程の潜熱量



図2 融解過程での潜熱量


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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