【公開日:2024.09.19】【最終更新日:2024.09.19】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23NM5080
利用課題名 / Title
低温大気圧接合と固相分離性を両立する極薄架橋層の開発
利用した実施機関 / Support Institute
物質・材料研究機構 / NIMS
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies(副 / Sub)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions
キーワード / Keywords
接合,実装,表面・界面,配線,電子顕微鏡/ Electronic microscope,表面・界面・粒界制御/ Surface/interface/grain boundary control,蒸着・成膜/ Vapor deposition/film formation,易循環型材料設計技術/ Recycling-friendly material design technology
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
重藤 暁津
所属名 / Affiliation
物質・材料研究機構
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
NM-503:200kV電界放出形透過電子顕微鏡(JEM-2100F1)
NM-648:FE-SEM+EDX [SU8000]
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
次世代半導体の高度化において,FEOL(Front End of Line)領域で創製された新規なデバイス群を高度に錬成し,基板上の一つのシステムとしての機能を最大化するためには, 3次元配線・回路積層体形成(Back End of Line)進化が不可欠である.特に,Chipletと呼ばれるシステムデザイン,すなわち,個別に形成した機能ブロック(薄層)の同一面内の任意な接合により超並列演算を目指す構造では,チップのリプレースのための仮接合や剥離が重要な課題になっている.また,昨今の移動体IoTでは有機材を含めた可撓性デバイスの需要が高まっており,これについても材料寿命に応じた効率的な剥離とリサイクルが求められている.そのため,元素ではなく原料レベルでの剥離,つまり接合界面での固相分離が今後必須になる.本研究では,材料やデバイスの稼働温度の高温化を鑑み,実働環境に重ならない温度範囲,すなわち低温領域で異種材料の接合界面を急峻に膨張させ,簡易な機械的応力印加で剥離させるための界面微細構造を,低温接合手法に最初から内包し,接合と剥離の両立を図る.そのために,低温膨張の物性を有するナノ結晶の接合界面の架橋層内部への生成挙動と組成変化をナノスケールで観察し,成長挙動と破断進展機構を明確にする.
実験 / Experimental
架橋性物質を含む溶剤蒸気を含有した窒素雰囲気中で真空紫外光を金属や半導体試料表面に照射し,材料表面の清浄化と,多座配位無機カルボン酸を基部に有する厚さ10nm程度の架橋層を形成した.架橋層を介して接触させた異種材料を低温加熱し,脱水縮合により強固な結合を獲得し,その界面をSEM, TEMにより観察し,初期界面の微細構造の情報を得た.その後,経時的にナノ結晶の発生密度を観察・計測し,初期界面の状態を基準として界面の膨張率を予測計算した.さらに,接合体を-60から-100℃程度の膨張トリガー温度まで冷却してから同様の観察を行い,接合界面の開放(剥離)状況と,破断進展挙動の解析を実施した.
結果と考察 / Results and Discussion
Cuを含む接合体界面の10nm程度厚の架橋層内に,企図した構造を有する酸化物ナノ結晶が形成されることを確認した。界面膨張率などの理論計算については,進行中の部分もあるが,冷却後の界面で均等な開放が確認された。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 重藤暁津,傾斜機能を発現させるための接合手法,傾斜機能ハンドブック,NTS出版,2024, 9
- Akitsu Shigetou and Naoe Hosoda, Feasiblity of Solid-State Debonding of Cu-Cu Interface by Cooling, JIEP/IEEE Int’l Conf. on Electronics Packaging (ICEP)2023/04 (Invited)
- 重藤暁津,次世代のデバイス・パッケージのための表面・界面設計および接合技術,ADMETA Plus 2023/10 (招待講演)
- 重藤暁津,接合性と機能を一括して得るための低温大気圧表面改質手法,日本接着学会 粘着研究会第189回例会,2023/11(招待講演)
- 重藤暁津,接合性と機能を一括して得るための低温大気圧表面改質手法,応用物理学会 界面ナノ電子化学研究会,2023/12(招待講演)
- 飯田和也,ゴスワミ レッカ,重藤暁津,坂本幸宏,川喜多仁,マイクロ〜ナノギャップを有するガルバニアアレーの表面状態と水接触による応答電流の関係,一般社団法人表面技術協会 第147回講演大会,2023/09
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:2件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件