【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.04】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23NM5060
利用課題名 / Title
全誘電体メタサーフェスにおける光と物質の相互作用増大
利用した実施機関 / Support Institute
物質・材料研究機構 / NIMS
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
フォトニクス・プラズモニクス/ Photonics and Plasmonic, シリコン基材料・デバイス/ Silicon-based materials and devices, 半導体微細構造/ Semiconductor microstructure, 電子線描画(EB)/ Electron beam lithography, ガスエッチング/ Gas etching
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
渡邊 敬介
所属名 / Affiliation
物質・材料研究機構
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
NM-635:電子ビーム描画装置 [ELS-BODEN100]
NM-638:水蒸気プラズマ洗浄装置 [AQ-500 #2]
NM-616:シリコンDRIE装置 [ASE-SRE]
NM-655:分光エリプソメーター [M2000]
NM-647:FE-SEM+EDX [S-4800]
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
本研究では、シリコンを代表とする高屈折率誘電体をベースとしたメタサーフェスにおいて、高感度な分子センシング、赤外分光を実現するナノ構造の実証を目指した。メタサーフェスはアレイ化されたナノオーダの微細構造からなり、光の局在を増大させるナノ構造を適切に設計・製作することで周囲の物質との相互作用が増大する。これには高精度なナノ構造の加工が必要不可欠であり、プロセスの最適化およびメタサーフェスの製作を行った。
実験 / Experimental
はじめに、厚さ400 nmのシリコン層をもつSilicon on Insulator(SOI)基板もしくは厚さ500 nmのアモルファスシリコン層をもつCaF2基板を有機洗浄後、O2プラズマ (AQ-500) 処理し表面をクリーンにした。続いて、ポジ型レジストZEP520Aを約100 nm、帯電防止剤ESPACER 300Zをスピンコートし、電子線描画装置 (ELS-BODEN100) を用いて加速電圧100 kVでナノ構造をパターニングした。その後、シリコン深堀エッチング装置 (MUC-21 ASE-SRE) でパターンをシリコンに転写した。残留レジストは水蒸気プラズマ洗浄により除去した。ドライエッチングのレートの確認には分光エリプソメータ (M2000) を用い、製作したサンプルのナノ構造の観察には電子顕微鏡 (S-4800もしくはSU8000) を利用した。
結果と考察 / Results and Discussion
製作したシリコンメタサーフェスの電子顕微鏡像を図に示す。設計に近いペアロッド形状のシリコンナノ構造が形成されていることが確認できた。一方でナノ構造のない表面部分にはmicrograssが形成されることがあり、これがメタサーフェスの光学特性に大きく影響することもわかった。このことからシリコン深堀エッチング装置を用いたBOSCH条件の最適化により、所望の光学特性が得られるものと考えられる。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図 (a) 近赤外域、(b) 中赤外域で動作するシリコンメタサーフェスの電子顕微鏡像
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
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Keisuke Watanabe, Vibrational Coupling to Quasi‐Bound States in the Continuum under Tailored Coupling Conditions, Advanced Optical Materials, 12, (2023).
DOI: doi.org/10.1002/adom.202301912
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 渡邊 敬介, ヘマム ラチナ デヴィ, 岩長 祐伸, 長尾 忠昭, "シリコンメタサーフェスを用いた準BIC-分子振動結合系の結合条件制御" 第84回応用物理学会秋季学術講演会, 令和5年9月21日
- Keisuke Watanabe, Hemam Rachna Devi, Masanobu Iwanaga, Tadaaki Nagao, "Tailoring coupling conditions between silicon metasurfaces and molecular vibrations" META 2023, the 13th International Conference on Metamaterials, Photonic Crystals and Plasmonics (Paris), 令和5年7月18日
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件