利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.17】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23AT5044

利用課題名 / Title

酸化膜の評価

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

空隙, 酸化膜, 陽電子消滅


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

上殿 明良

所属名 / Affiliation

つくばマテリアルリサーチ株式会社

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

満汐 孝治

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-501:陽電子プローブマイクロアナライザー(PPMA)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

陽電子プローブマイクロアナライザー(AT-501 (PPMA))を用いて、Si基板上に形成したSiO2膜の空隙(自由体積)を評価した。成膜後の試料と焼鈍を実施した試料について、陽電子寿命スペクトルを取得、得られた陽電子寿命から、試料中の自由体積のサイズ、焼鈍による自由体積の焼鈍特性を考察した。

実験 / Experimental

Si基板上に厚さ100 nmのSiO2をTEOSで形成した試料について、窒素雰囲気中で1000℃までの焼鈍を行った試料を作成した。これらの試料について、陽電子プローブマイクロアナライザー(AT-501 (PPMA))を用いて陽電子寿命スペクトルを測定し、多成分解析することにより、陽電子寿命とその相対強度を取得した。

結果と考察 / Results and Discussion

焼鈍前の試料について、寿命スペクトルを3成分解析した結果、長寿命成分は約1.5 nsであった。この寿命は、オルソ・ポジトロニウム(o-Ps)が、自由体積中で自由体積側面の電子と消滅していることを示す(ピックオフ消滅)。o-Psの寿命は焼鈍温度が上昇すると上昇し、800℃焼鈍後には約2.3 nsに達した。これは、焼鈍により自由体積のサイズが増大していることに対応する。TEOSにより成膜した試料では、大量の不純物がSiO2マトリックスに存在する自由体積に捕獲されており、これらが焼鈍により脱離することと、上記、自由体積サイズの増大が相関している。また、Si-Oネットワークの組み換えにより、熱酸化SiO2のネットワークに近づこうとする効果が影響していると考えられる。800℃以上では、ピックオフ消滅に対応する寿命は低下を始め、1000℃焼鈍後は約1.7 nsに達した。これは、一般に観測される熱酸化SiO2膜のピックオフ消滅寿命よりやや長く、測定したSiO2膜は1000℃焼鈍後も、熱酸化膜のネットワークに到達しないことが分かった。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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