利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.07.04】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23AT5043

利用課題名 / Title

陽電子消滅による配線材料の評価

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

空孔型欠陥, 銅配線, 陽電子消滅


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

上殿 明良

所属名 / Affiliation

筑波大学数理物質系

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

満汐 孝治

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-501:陽電子プローブマイクロアナライザー(PPMA)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

陽電子プローブマイクロアナライザー(AT-501 (PPMA))を用いて、Si基板上に形成したメッキCu膜の空孔型欠陥を評価した。成膜後の試料とナノセコンド・パルスレーザーによる焼鈍を実施した試料について、陽電子寿命スペクトルを取得、得られた陽電子寿命から、試料中の空孔型欠陥の同定、焼鈍による欠陥の焼鈍特性を考察した。

実験 / Experimental

Si基板上に厚さ200 nmのSiO2をTEOSで形成し、その後、PVDを用いて、厚さ2 nmのTa膜と厚さ20 nmのCu膜を形成した。その後、900 nmのメッキCuを形成した。また、メッキCu保護のため、厚さ20 nmのSiCNを形成した。この試料について、ナノセコンド・パルスレーザーを用いた焼鈍を行った。これらの試料について、陽電子プローブマイクロアナライザー(AT-501 (PPMA))を用いて陽電子寿命スペクトル測定し、多成分解析することにより、陽電子寿命とその相対強度を取得した。

結果と考察 / Results and Discussion

焼鈍前の試料の陽電子寿命は、約150 psと約350 psであった。これらの寿命は、Cu中の不純物と結合した単一原子空孔、及び空孔集合体に由来すると考えられる。後者での陽電子消滅に対応する相対強度は約45%であった。焼鈍後、陽電子寿命は、200 ps及び400 psと長くなった。焼鈍により導入された空孔型欠陥が、焼鈍前に存在した空孔と結合することにより、空孔サイズが大きくなった結果であると考えられる。また、空孔集合体で消滅した陽電子の相対強度は変化がなかったことから、2者の空孔型欠陥の比率、及び濃度は焼鈍により変化しないと考えられる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Akira Uedono, Impact of nanosecond laser annealing on vacancies in electroplated Cu films studied by monoenergetic positron beams, Journal of Applied Physics, 134, (2023).
    DOI: 10.1063/5.0166145
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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