利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.07.04】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23AT5013

利用課題名 / Title

オルガノシリカ分離膜におけるサブナノ空隙中の分子輸送の動的解析

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies

キーワード / Keywords

スピン制御/ Spin control,核磁気共鳴/ Nuclear magnetic resonance,核磁気共鳴/ Nuclear magnetic resonance,分離・精製技術/ Separation/purification technology


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

森山 教洋

所属名 / Affiliation

広島大学大学院 先進理工系科学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

都留稔了,伊藤賢志

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

服部峰之,大沼恵美子

利用形態 / Support Type

(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-505:固体NMR装置 (SSNMR)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

本研究では、オルガノシリカ膜材料の実用高度化に向け、(1)オルガノシリカ膜の湿りガス分離特性の分子論的解釈と熱力学膜透過モデルによる理論予測手法の提案、(2)当該モデル手法に基づいたボトムアップ式分子設計による湿りガス特性制御技術の開発を目的としている。当該モデル中のパラメータである、多孔質な膜材料中における水の拡散係数を、パルス磁場勾配NMRを利用して計測した。

実験 / Experimental

Bis(triethoxysilyl)ethane(BTESE)から作製したオルガノシリカ粉末サンプルを100℃の飽和水蒸気に暴露させ水を吸着させた。1HNMRで吸着水由来のピークを検出し、磁場勾配強度に対する相対ピーク面積の変化を測定し、ln(相対ピーク面積)と磁場勾配強度の2乗が直線関係となるようにフィッティングすることで水の拡散係数を算出した。

結果と考察 / Results and Discussion

図1に磁場勾配強度と相対ピーク面積の関係を示す。ここで、相対ピーク面積は磁場勾配を印加しなかった場合のピーク面積を1とした場合のピーク面積である。相対ピーク面積の測定値はいずれも磁場勾配強度が増大するにしたがって減少した。フィッティングによって得られた拡散係数は4.3×10-11 m2/s (40℃)と4.8×10-11 m2/s (60℃)であり、バルク水の拡散係数:1.8×10-9 m2/sよりも有意に小さかった。水分子がオルガノシリカ細孔壁から受ける束縛を反映していると考えられる。BTESEのみならず、架橋構造を系統的に変化させた各種オルガノシリカ粉末(図2)に対して、水拡散係数を測定することで、膜の水蒸気透過特性を拡散係数の視点から詳細に議論可能になると考えられる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 磁場勾配強度と相対ピーク面積の関係



図2 有機架橋構造が異なる各種オルガノシリカの構造


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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