利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.07.04】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23AT5012

利用課題名 / Title

ジシラン結合を持つ銅錯体の温度による構造変化

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies

キーワード / Keywords

スピン制御/ Spin control,核磁気共鳴/ Nuclear magnetic resonance,未利用資源の有効利用技術/ Technologies for effective utilization of unused resources,核磁気共鳴/ Nuclear magnetic resonance


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

山野井 慶徳

所属名 / Affiliation

東京大学大学院理学系研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

服部峰之、大沼恵美子

利用形態 / Support Type

(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-505:固体NMR装置 (SSNMR)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

銅錯体は様々な結晶多型を発現する。しかしながら温度変化で八核錯体と一次元鎖を制御している例はない。ここでは柔軟性の高いジシラン結合を持つピリジン配位子を用いた銅錯体について、結晶状態における温度と構造変化について調査する。また、一部の銅錯体についてはアセトニトリルが配位した構造を有していたので、15N NMRにて配位形式の調査を行った。

実験 / Experimental

ジシラン架橋のビスピリジン配位子を持つ(Py-Si-Si-Py)配位子を合成し、CuIと錯体を形成した。この錯体は温度変化による結晶相転移が観察され、単分子から高分子への構造変化が起こる。しかし、再現性に欠ける問題がしばしば発生しました。その原因を探るために、固体状態での13C NMRを測定した。また15N CP/MAS NMRにて結晶中に存在しているアセトニトリルの配位形式について考察した。

結果と考察 / Results and Discussion

固体状態のNMRを測定したところ、目的物由来のピークに加え、反応生成時に不純物として出来てくる銅由来のナノ粒子のピークが観察された。不純物の混入により、データの再現性に問題があることが分かった。顕微鏡で観察しながら、この不純物をピンセットで除くことで、きれいなピークとして測定できた。これにより単分子から高分子への相転移が再現良く観察された。また15N NMRの測定にてアセトニトリルが銅に配位している場合は、シャープなピークとして、結晶内に取り込まれているだけの場合は、ブロードなピークとして観察された。これは、結晶中のアセトニトリルの分子運動に由来する

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Yongjin Zhao, Reversible Transition between Discrete and 1D Infinite Architectures: A Temperature‐Responsive Cu(I) Complex with a Flexible Disilane‐Bridged Bis(pyridine) Ligand, Chemistry – A European Journal, 29, (2023).
    DOI: 10.1002/chem.202204002
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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