利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.07.22】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23YG0033

利用課題名 / Title

メチルセルロース溶液の粘度測定

利用した実施機関 / Support Institute

山形大学 / Yamagata Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)その他/Others(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

文化財修復,メチルセルロース,粘度,分析,成形/ Molding


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

込山 真生

所属名 / Affiliation

東北芸術工科大学大学院芸術文化専攻

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

緒形信幸

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

YG-001:ツインドライブ型レオメータ


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

高粘度のメチルセルロース溶液の粘度を測定するため、山形大学のレオメーターを利用してせん断速度を計測した。

実験 / Experimental

濃度5%、7.1%のメチルセルロース(信越化学メトローズ(以下、SM)400、1500、4000番)水溶液と、メチルセルロース(SM400、1500番)に25%エタノール水溶液を加えた5%のメチルセルロース溶液、計8種をツインドライブ型レオメーター(装置ID:YG-001)で計測した。測定条件は、測定温度20℃、せん断速度6回転/分、ディスポヘッドCP25で行った。計測は1種類につき3回行った。

結果と考察 / Results and Discussion

Fig.1に結果の一覧表を示す。計測の結果、5%のSM水溶液は約6500mP・sから24000mP・sを示した。7.1%SM水溶液の粘度は約20000mP・sから510000mP・sとなった。
エタノールを加えた溶液は、同濃度のSM水溶液より8000から10000mP・sほど増加し、SM5%水溶液と7.1%水溶液の中間を示した。
【考察】
  平佐、林1らはメチルセルロース水溶液に有機溶剤を加えるとゲル化温度が低下すると述べている。実験より1価アルコールを添加した場合、ゲル化温度を一度低下させ、対で上昇させることが報告されている。平佐、林らはこの現象について、添加するアルコールの濃度に影響し、低濃度であるほどアルコールの脱水効果が相対的に大きく作用して、高濃度ではメチルセルロース分子への溶媒としての相互作用が大きくなり、ゲル化形成を妨げると考察している。
以上の研究と今回の結果を踏まえ、今回計測を行った25%エタノール水溶液を混合したメチルセルロース水溶液の粘度が同粘度、同分子量のMC水溶液より高くなった理由については、低濃度エタノールの添加によりメチルセルロース水溶液のゲル化が促進されると同時に脱水効果が影響したと考えられる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig1. SM溶液の粘度測定結果青(5%水溶液 橙:25%エタノール混合溶液5% 緑:7.1%水溶液)


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

・参考文献
1 平佐興彦・林正敏『メチルセルロース水溶液の流動性におよぼすアルコール類添加の影響』工業科学雑誌73巻12号1970年 122-129pp.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nikkashi1898/73/12/73_12_2680/_pdf 最終閲覧日 2023/12/3
・謝辞
作業に当たりご指導いただきました緒形様(山形大学研究員)に感謝いたします。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 第七回文化財保存学日本画・彫刻研究発表会で発表予定
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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