利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.02】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23IT0049

利用課題名 / Title

共焦点ラマン顕微鏡によるCVDダイヤモンド膜のストレス評価

利用した実施機関 / Support Institute

東京工業大学 / Tokyo Tech.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

赤外・可視・紫外分光/ Infrared/visible/ultraviolet spectroscopy,量子効果/ Quantum effect


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

辻 赳行

所属名 / Affiliation

国立研究開発法人 物質材料研究機構

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

岩﨑孝之

利用形態 / Support Type

(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

IT-032:共焦点ラマン顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

ダイヤモンド中の窒素-空孔欠陥であるNitrogen-Vacancy center (NV センタ)は高感度量子磁気センサへの応用が期待されている。 NVセンタの磁気感度は、スピン緩和時間(T2*)を延長することで向上できるが、ダイヤモンド膜中のストレス分布によりT2*は減少してしまう。本研究では、CVDダイヤモンド膜中のストレス分布を共焦点ラマン顕微鏡を用いて評価し、ダイヤモンドの成長条件とT2*との相関を調べた。その結果、ストレス分布が低減されているCVDダイヤモンド膜では(T2*)が延長されていることが確認された。

実験 / Experimental

膜厚約70 μmのNVセンタを含む(111)CVDダイヤモンドをIb(111)基板上に合成した。ラマンスペクトルは、あるZ位置(Fig.1 (a)参照)におけるCVD膜面内の40 × 40 μm2の範囲の80×80点において取得し、これらのラマンスペクトルのダイヤモンド一次ラマンピークの平均値をP(Z) (cm-1)と定義した。 T2*はラムゼー法にて測定した。

結果と考察 / Results and Discussion

Fig.1 (b)に示すように、サンプルAにおいては基板からCVD表面に沿ってP(Z)は約-0.05 cm-1まで減少していた。一方で、サンプルBにおいては基板からCVD表面に沿ってP(Z)の変化は測定誤差範囲内に収まっていた(Fig.1 (c))。したがって、サンプルBのCVD膜の方がサンプルAよりもストレス分布が低減されていることが分かった。また、サンプルA,BのT2*はそれぞれ150 ns, 280 nsであった。したがって、ストレス分布が低減されているCVDダイヤモンド膜では(T2*)が延長されていることが確認された。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1 (a) Cross-section of a CVD film. (b)-(c)  The shift of the first-order Raman line of diamond (ΔP ) as a function of depth direction (Z) for sample A and B, respectively.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 辻 赳行1、真榮 力1、岩﨑 孝之2、波多野 睦子2、寺地 徳之1 (NIMS 1、東工大2)、 高いオフ角をつけた(111)ダイヤモンド基板によるCVDダイヤモンド膜の歪の低減、 応用物理学会春季学術講演会 令和6年3月24日  
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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