利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.19】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23HK0126

利用課題名 / Title

水熱合成法を用いた電気駆動ランダムレーザー作製法の開発

利用した実施機関 / Support Institute

北海道大学 / Hokkaido Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions

キーワード / Keywords

電子顕微鏡/ Electronic microscope,フォトニクスデバイス/ Nanophotonics device,光デバイス/ Optical Device,蒸着・成膜/ Vapor deposition/film formation,フォトニクス/ Photonics


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

藤原 英樹

所属名 / Affiliation

北海学園大学 工学部 電子情報工学科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

松尾保孝,森有子

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術代行/Technology Substitution


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

HK-404:超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

水熱合成法を用いた電気駆動ランダムレーザーの実現を目指した研究を行った。p型GaN基板上に水熱合成法によりZnO粒子膜を形成する手法により、整流特性示す半導体デバイスを作製し、電気駆動による発光の確認に成功した。

実験 / Experimental

前駆体溶液として硝酸亜鉛六水和物およびヘキサメチレンテトラミン水溶液(濃度100 mM)を等量混ぜたものを用意し、ヒーターで90℃以上に加熱した前駆体溶液中に市販のp型GaN基板を浸漬し、加熱合成時間を変えながらZnO粒子膜の合成を行った。その後、FTO透明電極をZnO粒子膜に圧着し、I-V特性や電気駆動発光の観察を行った。また、ZnO粒子膜の状態を調べるため、北大電子研の電子顕微鏡で表面の観察や発光スペクトル測定を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

各加熱時間で試作した試料の発光スペクトルを測定した結果、380nm付近のUV発光を示し、かつ、可視発光がほとんど見られないことを確認した。この結果は、不純物の混入や結晶欠陥による可視発光が確認できないことから、実験で使用した作製条件で結晶性の良いZnO粒子膜ができていることを示している。また、試料のI-V特性を調べたところ、全ての試料において3~4V付近で電流値の立ち上がりを示す整流特性を確認し、ZnO/GaN界面でpn接合が出来ていることを確認した。さらに10V以上の電圧印加時に目視で紫外―青色の電気駆動発光の確認にも成功し、本手法により簡便に電気駆動発光素子を作製できることを示した。しかし、発光は膜上の限られた数点のスポットからしか確認できておらず、今後は電極全面で発光が確認できるように作製手順の改善を進める予定である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 試料作製法の概略図.



図2 (a) 試料の概念図と(b,c)電子顕微鏡画像.



図3 試料(前駆体溶液濃度100 mM、加熱時間4時間)の電流ー電圧特性.



図4 試料の電気駆動発光画像.(a) 試料表面の顕微鏡画像と(b) 発光画像.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

本研究のI-V特性の測定や電極の配置などについては、科研費の分担研究者である慶応大・海住教授の協力により研究を行った。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Hideki Fujiwara, Site-Specific Synthesis of Conductive Graphitic Nanomaterials on a NiFe Thin Film by Localized Laser Irradiation, ACS Applied Nano Materials, 6, 13885-13893(2023).
    DOI: 10.1021/acsanm.3c01272
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. Hideki Fujiwara, "Fabrication of low-threshold random lasers using laser processing and synthesizing techniques" NYCU Spring Colloquium (National Yang Ming Chiao Tung University, Hsinchu, Taiwan) 令和5年4月21日
  2. 藤原英樹,”ランダムレーザー光源の実現に向けた作製・制御技術の開発” 日本分析化学会北海道支部第39回緑陰セミナー(旭川)令和5年7月8日
  3. Christophe Pin, Hideki Fujiwara, Keiji Sasaki, "Laser-induced hydrothermal synthesis of vanadium dioxide on gold thin films and nanostructures" The 31st International Conference on Photochemistry(札幌)(令和5年7月24日)
  4. 藤原英樹,本吉和希,伊藤涼太,田中遼,海住英生,”水熱合成法を用いたランダムレーザーの電気駆動化” 第84回応用物理学会秋季学術講演会(熊本)令和5年9月21日
  5. Quan Shi, Hideki Fujiwara, Shin Kajita, Ryo Yasuhara, Hirohiko Tanaka, Noriyasu Ohno, Hiyori Uehara, "A simple method for modifying the surface morphology of various semiconductors and its application in random lasing" Global Plasma Forum in Aomori(青森)令和5年10月18日
  6. 藤原英樹,”レーザー誘起物質合成・加工技術を利用したフォトニックデバイスの創生” 第6回可知化センシングユニットセミナー(岐阜)令和5年10月20日
  7. 藤原英樹,"局所レーザー加熱を利用したナノ材料合成" 大阪公立大学化学科談話会(大阪)令和5年12月20日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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