利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.28】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23HK0097

利用課題名 / Title

両面ストリップ型GaAs放射線検出器の開発と評価

利用した実施機関 / Support Institute

北海道大学 / Hokkaido Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

センサ/ Sensor,蒸着・成膜/ Vapor deposition/film formation,ALD,リソグラフィ/ Lithography,膜加工・エッチング/ Film processing/etching


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

菊池 洋平

所属名 / Affiliation

東北大学 工学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

松山成男,及川拓洋,辻本隆文

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

松尾保孝,細井浩貴,小島俊哉

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術代行/Technology Substitution


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

HK-611:多元スパッタ装置
HK-604:レーザー描画装置
HK-620:ICP高密度プラズマエッチング装置(フッ素)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

医用画像診断装置は臨床現場において不可欠なものとなっている。その画像の性能 にはこれらの放射線を計測するための放射線検出器の性能に大きく依存する。本課題は高解像度と高いエネルギー分解能に寄与することが可能な医用画像モダリティ用の半導体検出器の開発に関するものである。半絶縁性ヒ化ガリウム(Semi-Insulation Gallium Arsenide、以下、SI-GaAs)は工業的な利用性と性能に関する 潜在的可能性に富んだ放射線検出器用材料である。我々はSI-GaAsウエハの両面に オーミック・ショットキーそれぞれのタイプの積層金属電極膜を形成し、さらにハンドリング性の向上などを目的とする不動態層で電極面を保護した検出器のサンプルデバイスの作製を試みた。

実験 / Experimental

Double sided strip(DSS)タイプのSI-GaAs検出器のサンプル作製を試みた。このデバイスはSI-GaAsウエハ(センサ面積:≈ 20×20 mm2)の表・裏の両面にDSS 電極(各面に直行する短冊状(ストリップ)の電極群を設けた電極)で形成されている。各面の電極は異なった積層金属電極構造をしており、一面 はGe/Au/Ni/Auの構造のオーミックタイプの電極、もう一面はTi/Pt/Auの構造を持つショットキー電極である。いずれの面においてもストリップ電極は200 μmピッ チで配列しており、各ストリップの幅は180 μmである。また、不動態層にはSiO2 によって形成した。この層は表面・裏面両面の電極を覆うように形成され、信号の引き出しのためのスルーホールが設けられている。このスルーホール部には金のパッドが設けられた。 また、複数のパッド厚さが試みられた。これは、その後の実装におけるワイヤボンディングの歩留まりに関係するファクターとなることが推測されるためである。

結果と考察 / Results and Discussion

ドライエッチングをベースとしたプロセスに基づいてストリップ電極を一定の歩留 まりで形成することに成功した。この結果には2層レジストを活用したことが貢献 しているものと推測される。また、作製したサンプルについて電気的特性の評価および放射線計測に関する性能調査を行った。電気的特性の調査においては電極がショットキー接合を形成していることを示唆する整流性が確認されたほか、過剰なバイアス印加によって不可逆的なリーク電流の増加と整流性の消失が生じることが示唆された。これは放射線計測性能にも影響を及ぼした、複数のガンマ線源からの検出信号が観測されたが、上記が発生した結果、これらの観測が不可能となった。一方で、この性能劣化はストリップ毎に生じるものであり、他のストリップの性能への影響は限定的であるものと推測される。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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