利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.19】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23HK0093

利用課題名 / Title

窒化物半導体トランジスタの作製と特性評価

利用した実施機関 / Support Institute

北海道大学 / Hokkaido Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

高周波デバイス/ High frequency device,高品質プロセス材料/技術/ High quality process materials/technique,膜加工・エッチング/ Film processing/etching


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

佐藤 威友

所属名 / Affiliation

北海道大学 量子集積エレクトロニクス研究センター

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

松尾保孝,石旭,佐々木仁,遠堂敬史,大西広,細井浩貴,中村圭佑,浮田桂子,小島俊哉

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

HK-619:ICP高密度プラズマエッチング装置(塩素)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

GaN系ヘテロ接合電界効果トランジスタ(GaN HFET)は高周波パワースイッチング素子として有望視されているが、閾値電圧を精密に制御する技術が未確立であり作製プロセスの開発が望まれている。本研究では、ICP-RIEによる窒化物半導体トランジスタの素子間分離、光電気化学(PEC)エッチングによるゲートリセス加工と、エッチング時に導入される加工ダメージの評価/抑制を目的とした。

実験 / Experimental

AlGaN (20, 40 nm)/GaNヘテロ構造に対し、はじめにPECエッチングによりゲート電極部にリセス加工を施し、次にICP-RIEにより素子と素子の間を深さ約100nmエッチングした。Cl2ガス4.0sccm, BCl3ガス3.0sccmで、ICP power 150 W, Bias power 30 W, 圧力1Paの条件下で1分間エッチングした。最後に、ソース-ドレイン電極とゲート電極を形成した。またICP-RIE加工ダメージの評価のため、p型GaN表面をBias power 5Wでエッチングした試料とPECエッチング試料について電気化学インピーダンス測定を実施した。

結果と考察 / Results and Discussion

AlGaN/GaN構造に対してICP-RIEによる素子分離を実施した試料について電気的特性を評価した結果、隣り合った素子間の電気抵抗は十分に高く、本来の目的を十分に達成できた。また、PECエッチングによるゲートリセス加工によりトランジスタのしきい値電圧を精密に制御することができた。 また、p-GaN試料に対するICP-RIE加工ダメージを電気化学インピーダンス法により評価した結果、ICP-RIE直後にはナイキスト図の半円が小さくなったが、およそ10 nmのPECエッチングを繰り返すことにより徐々に大きくなった(Fig. 1)。等価回路モデルに基づき実験値をフィッティングした結果、ICP-RIE直後に加工表面の抵抗(Schottky界面のRs)が大きく減少したが、およそ4回(40 nm)のPECエッチングによってAs grownレベルまで回復した。これは、ICP-RIEによって電流リーク源となるp-GaN表面の加工損傷が導入されるが、PECエッチングにより除去可能であることを示唆している。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig.1 p-GaN試料の電気化学インピーダンス測定結果:As-grown試料, ICP-RIE試料, PECエッチング試料のナイキスト図。


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 髙津 海,佐藤 威友, “p-GaN表面層に対する低損傷PECエッチングとその電気化学的評価(2),” 第84回応用物理学会秋季学術講演会,令和5年9月22日.
  2. T. Sato, R. Ochi, "Current Non-linearity of GaN-based MIS HEMTs in Forward Bias Region," International Conference on Materials and Systems for Sustainability (ICMaSS2023), 令和5年12月2日.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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