【公開日:2023.08.03】【最終更新日:2023.08.03】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22NR0001
利用課題名 / Title
有機太陽電池用の有機半導体材料の創製
利用した実施機関 / Support Institute
奈良先端科学技術大学院大学 / NAIST
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion
キーワード / Keywords
有機太陽電池、有機半導体材料,核磁気共鳴/Nuclear magnetic resonance,質量分析/Mass spectrometry
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
Okumoto Kenji
所属名 / Affiliation
株式会社奥本研究所
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
淺野間文夫,西川嘉子,小池徳貴,藤原正裕,山垣美恵子
利用形態 / Support Type
(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub),機器利用/Equipment Utilization
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
NR-102:400MHz 固体・溶液NMR
NR-701:示差走査熱量計・示差熱熱重量同時測定装置
NR-503:LC/TOFMS飛行時間型質量分析計
NR-501:マトリックス支援レーザーイオン化Spiral飛行時間型質量分析計
NR-703:微細形状測定装置
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
有機薄膜太陽電池は、軽量・フレキシブル化と、塗布工程による低コスト化の観点から研究開発が進められている。有機薄膜太陽電池は少量が実用化されているが、その普及に対しては、デバイスの電力変換効率と耐久性の向上が課題である。課題の解決に対しては、太陽電池に用いる有機半導体の材料開発が鍵を握っている。 当社は、有機半導体材料と有機薄膜太陽電池の開発を行っている。本開発では、有機太陽電池用のドナー性有機半導体材料の創出を行ったので、その結果について報告する。
実験 / Experimental
本研究において、当社で設計・合成した有機半導体は、トリフェニルアミンをドナー部位、ジオキシベンゾジチオフェンをアクセプター部位として導入した4材料である。 4材料の名称は、OA2TPB、OA4TPP、OA4TPB,OA4TPTと命名した。
合成した材料は、質量分析によって分子量を測定するとともに、プロトンNMRによって化学構造の同定を行い、微細形状測定装置によって製膜後の膜厚を測定した。
結果と考察 / Results and Discussion
合成した4材料ともに質量分析によって、分子イオンピークが観測された。
また、プロトンNMRによって、4材料ともに目的化合物と同定された。
スピンコートによって製膜した4材料の膜を微細形状測定装置により測定した結果、約100nm程度の膜厚が得られたことを確認できた。
吸収スペクトル測定によって、合成した化合物はいずれも400~600nmの波長領域に吸収を示し、狙い通りの光吸収性能を示す。
合成した4材料を用いて有機太陽電池デバイスを試作した結果、従来のポリチオフェン材料と比べて高い性能を示す化合物が含まれることが分かった。
本成果は特許出願し、審査を通過している。
一方、今回の検討で得られたエネルギー変換効率は6%程度であり、より高い変換効率を示す材料開発を引き続き行っていく予定である。
今回の材料は、光吸収層の電荷移動経路の形成が不十分であると考えられ、膜を形成した際のの凝集状態の改善を行う予定である。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
謝辞:本研究を行うにあたり、NR-102(400MHz固体超伝導NMR)では淺野間様, NR-701(示差走査熱量計・示差熱熱重量同時測定装置)では藤原様、 NR-503(LC-TOFMS高分解能飛行時間型質量分析計4G,DART/ESI/CSI/APCI)とNR-501(SpiralTOF質量分析計)では、西川様と山垣様, NR-703(微細形状測定装置)では小池様にご尽力をいただきまして、誠にありがとうございます。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:1件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件