【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.02.27】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23AT0299
利用課題名 / Title
2次元半導体極薄膜の局所分光測定
利用した実施機関 / Support Institute
産業技術総合研究所 / AIST
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed
キーワード / Keywords
光学顕微鏡/ Optical microscope,赤外・可視・紫外分光/ Infrared/visible/ultraviolet spectroscopy,原子層薄膜/ Atomic layer thin film,ナノシート/ Nanosheet,センサ/ Sensor,フォトニクスデバイス/ Nanophotonics device,エレクトロデバイス/ Electronic device,スピントロニクスデバイス/ Spintronics device,光デバイス/ Optical Device
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
和泉 廣樹
所属名 / Affiliation
産業技術総合研究所
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
鬼澤 敦子
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
前駆体材料としてMoO3、(NH4)2WS4およびSを用いた化学気相蒸着(CVD)法により、薄膜を基板上に成長させたところ、典型的な三角形とは異なる形を有した2次元層状薄膜を見つけた。光学顕微鏡像から、この薄膜は内側と外側で色のコントラストが異なっており、まるで無限大(∞)のような形をしている(Fig. 1)。ラマン分光法を用いた組成マッピングにより、薄膜内側はMoS2、薄膜外側はWS2で形成されていることが確かめられた。これをもとに本課題では、この∞型薄膜の光学的考察を深める目的でFT-IR装置を用いた局所分光測定を試みた。
実験 / Experimental
顕微フーリエ変換赤外分光装置(FT-IR)を用いて、600~4,000 cm-1の波数範囲で掃引し、測定した。なお、観測スポットに関して、薄膜全体が入る(40 um×30 um)程度まで絞った。
結果と考察 / Results and Discussion
取得したFT-IRスペクトルについて説明する。まず、薄膜内側のMoS2由来のピークであるが、Mo – S結合のピークが測定可能範囲外の467 cm-1にある[1]ため、残念ながら本装置では観測できなかった。一方で、薄膜外側のWS2由来のピークは観測できた。その根拠として、Fig. 2中にある2200 cm-1以下の1ピークがある。およそ2,100 cm-1~2,300 cm-1の範囲で、W – S結合の伸縮振動モードに由来するピークが報告されており[2]、このピークのアサインとして妥当であると判断した。以上より、本課題でのFT-IR実験では、光学的議論を展開するための有用な結果が得られたと考えている。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1. 無限大(∞) 型2次元薄膜(ヘテロWS2/MoS2)の光学顕微鏡 [3]。
Fig. 2. 無限大(∞) 型2次元薄膜(ヘテロWS2/MoS2)のFT-IRスペクトル [3]。
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
[1] S. Liu, et al., Mater. Lett. 73, 223 (2012).
[2] M.V.L. Gnanaguru et al., Environ. Sci. Pollut. Res. 30, 78537 (2023).
[3] H. Waizumi et al., JVSS 2023 (@ Nagoya), 2Hp03.
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- Hiroki Waizumi, Tetsuo Shimizu, Atsushi Ando, Toshitaka Kubo, "Fabrication and characterization of heterostructural WS2/MoS2 thin films with chemical vapor deposition", Annual Meeting of the Japan Society of Vacuum and Surface Science 2023 (Nagoya), 01/11/2023.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件