【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.02.29】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23AT0246
利用課題名 / Title
金属-レジスト面平坦化加工技術の開発用テスト基板の作製
利用した実施機関 / Support Institute
産業技術総合研究所 / AIST
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)その他/Others(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
めっき,スパッタリング/ Sputtering,リソグラフィ/ Lithography
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
小野寺 尚志
所属名 / Affiliation
日本エクシード株式会社
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
杉山 和義
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
AT-006:マスクレス露光装置
AT-025:スパッタ成膜装置(芝浦)
AT-029:メッキ装置
AT-018:反応性イオンエッチング装置 (RIE)
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
金属とレジストからなる面を平坦化するCMP加工技術を開発するために用いる加工テスト用基板の作製方法を検討するため、ナノプロセシング施設の設備を使用して Fig. 1 に示す構造のテスト基板作製を試みた。
実験 / Experimental
PFI-89B4とPMER P-LA300PMの2種類のポジ型フォトレジストを検証に用いた。PFI-89B4は2000 rpm, 6 secでSi基板に塗布し、マスクレス露光装置でドーズ量 150 mJ/cm2 で指定のパターン形状に露光した後、TMAH現像液 2 min で現像した。PMER P-LA300PMは1800 rpm, 30 secでSi基板に塗布し、マスクレス露光装置でドーズ量 300 mJ/cm2 で指定のパターン形状に露光した後、TMAH現像液 2 min で現像した。続いて、スパッタリング装置でCu薄膜(200 W, 7 min)、および、Au薄膜(200 W, 5 min)を別々のパターン基板上に成膜した。Cu薄膜を成膜した基板はRIE装置でO2プラズマを照射(100 W, 60 sec)して親水化したのち、メッキ装置でCu膜を堆積(28℃, 0.4 A, 10 min)した。Au薄膜を成膜したものはプラズマアッシャーで O2プラズマを照射(100 W, 60 sec)して表面親水化したのち、メッキ装置でAu膜を堆積(60℃, 0.4A, 20 min)した。膜厚の測定は白色干渉顕微鏡および触針式段差計により行った。
結果と考察 / Results and Discussion
ナノプロセシング施設の設備を利用して Cu/PFI-89B4 構造と Au/PFI-89B4 構造のテスト基板を作製することができた。レジスト膜厚は2.2μmに対し、Cu膜厚は2.0μmでありやや低かった。。Fig. 2 に示したCu膜を堆積して作製したCu/PFI-89B4/Si テスト基板の断面顕微鏡写真から、概ね目的とする構造の基板が作製できていることが確認できた。Cu膜とレジスト間の密着性が高くなく、パターン上部からはCu膜が剥がれやすくなっていたものの、本目的のCMP検討用のテスト基板としては使用可能と判断できるものであった。
Au/PFI-89B4 構造のものも同様に作製でき、レジスト膜厚は3.6μmに対し、Au膜厚は7.7μであり十分な膜厚を堆積することができた。Au膜はCu膜よりもさらに密着性が悪く、パターン上だけなくSi基板部からも剥がれかかっており、密着性を改善しなければCMP検討用のテスト基板としては使用できないと判断した。
レジストにPMER P-LA300PMを用いたものはめっき中に金属膜が剥がれてしまい、目的とする構造の基板は作製することはできなかった。これは、室内照明に暴露したPMER P-LA300PMはめっき薬液に浸食されやすいためであると考えられる。フォトレジストのベタ膜のダイシングも試しているが、PFI-89B4/Si 基板は問題無くダイシングできたのに対し、PMER P-LA300PM/Si 基板は冷却水により切断部から大部分が剥がれるほど浸食されやすいことも分かった。従って、本目的のような室内照明下のウェットプロセスには全く適しておらず、使用できないと判断した。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1 加工テスト基板の断面模式図
Fig. 2 作製したCu/PFI-89B4/Si 基板の断面顕微鏡写真
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
リソグラフィの技術指導を担当していただいた杉山和義氏、めっきプロセスの検討にあたりアドバイスを頂いた郭哲維氏、並びに、トレーニングや施設利用のサポートいただきましたナノプロセシング施設職員の方々に感謝致します。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件