利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.03.09】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23AT0100

利用課題名 / Title

反応に不活性な熱分析容器の開発

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

センサ/ Sensor,ALD


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

秋吉 美也子

所属名 / Affiliation

産業技術総合研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

山崎 将嗣

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-031:原子層堆積装置_1[FlexAL]


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

示差走査熱量測定(DSC: Differential Scanning Calorimetry)で得られる発熱量(発熱分解エネルギー)と化学物質の発火・爆発危険性とには相関性が認められおり,DSCは従来危険性評価試験として使用されてきた。DSCは,極めて少量の試料で簡便かつ安全に化学物質の危険性評価を行うのに有効な手段とされる。容器としてはステンレス製耐圧容器を使用することが多いが,ステンレスなどの金属と反応する物質の危険性評価の判断は未だに課題として残されている。耐圧性があり,且つ,反応に不活性な材質の容器開発をすすめている。

実験 / Experimental

DSC測定用耐圧ステンレス容器に,産総研ナノプロセシング施設のAT-031 原子層堆積装置_[FlexAl]を用いて,低温プラズマ法によりシリカ膜をコーティングさせた。ネジ蓋方式の容器を用い、膜厚は100nmとした。

結果と考察 / Results and Discussion

図1にはネジ蓋式ステンレス容器(内蓋ステンレス)(以後,NS(lidSS) と略)にシリカコーティング(100nm)した容器で得られた2-アミノ-4- クロロ-5-ニトロフェノール(以後、ACNP)のDSC 曲線を示す。同図には,参考のために未コーティング容器,ガラス容器(GC)での評価結果も示す。229℃付近に認められる鋭い発熱ピークはコーティングにより発熱量が低減する。この発熱ピークの後、313℃で容器表面状態(Photo1(a))を観察すると、やや劣化が認められる。さらに500℃まで昇温(Photo1(b))すると劣化は進行するが、未コーティング(Photo1(c))に比べると抑制されている。GC容器での熱挙動と比較すると、424℃付近で小さな鋭い発熱ピークが確認されている。このピークまでの表面劣化はあまり進まない。この時にコーティング膜が何らかの作用でダメージを受けている可能性が示唆された。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig.1 DSC curve of 2-Amino-4-chloro-5-nitrophenol obtained with silicate coating vessel.



Photo1 State of the vessel when the measurement  was :(a)stopped just at 313℃, (b)heated to 500℃,  (c): heated to 500℃ without coating.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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