利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.02.29】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23AT0091

利用課題名 / Title

スピントロニクスデバイスの作製

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions

キーワード / Keywords

スピントロニクス素子・物質,スピントロニクスデバイス/ Spintronics device,スピン制御/ Spin control,電子線リソグラフィ/ EB lithography


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

久保田 均

所属名 / Affiliation

産業技術総合研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

木塚 優子,郭 哲維

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-093:高速電子ビーム描画装置(エリオニクス)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

人工スピンアイスは、サブミクロンサイズの磁性体セルが配列したもので、セルの形状磁気異方性とセル間に働く磁気結合に起因してフラストレーションが生じる。その結果、磁気モノポールなどの磁性体セル単体では起こりえない新奇な磁気ダイナミクス生まれ、基礎物理と工学的応用の両面から注目を集めている。中でもニューロモルフィックデバイスの一つである物理レザバー計算デバイスへの応用が注目を集めている。本研究では、サブミクロンサイズの強磁性セルを用いて人工スピンアイスを作製する実験をおこなった。

実験 / Experimental

所属研究室においてシリコン基板上に強磁性トンネル接合薄膜を作製したのち、その薄膜上に電子線レジストを塗布した。ついで、産総研NPFの電子ビームリソグラフィー装置を用いて薄膜状に微細なパターンを描画した。現像後、Ti薄膜を蒸着し、パターンに埋め込み、リフトオフによりTiのパターンを得た。これをマスクとしてエッチングにより強磁性トンネル接合セルを作製した。単一セルのサイズは、長さ800 nm、幅150 nmのスタジアム型である。72個のセルをハニカム状に配列した人工スピンアイス試料を作製した。

結果と考察 / Results and Discussion

作製したセルの形状は、ほぼ設計通りであることを電子顕微鏡観察により確認した。使用した電子ビームリソグラフィー装置の加速電圧が130 KVと高いため、電子線の散乱の影響を受けにくく設計どおりのセル形状が得られたと考えられる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

本研究は、科学研究費補助金基盤研究S(20H05655)の支援を受けた。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Hitoshi Kubota, Magnetization Process of Stadium-Shaped Magnetic Tunnel Junction Cells for Artificial Spin Ice, IEEE Transactions on Magnetics, 59, 1-4(2023).
    DOI: 10.1109/TMAG.2023.3291380
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. Hitoshi Kubota, Sumito Tsunegi, Kay Yakushiji, Tomohiro Taniguchi, Shingo Tamaru, Tatsuya Yamamoto, Atsushi Sugihara, Hikaru Nomura, Yoshishige Suzuki, "Magnetization Process of Stadium-Shaped Magnetic Tunnel Junction Cells for Artificial Spin Ice", Intermag 2023 (Sendai), 2023 May.
  2. H. Kubota, S. Tsunegi, K. Yakushiji, T. Taniguchi, S. Tamaru, T. Yamamoto, A. Sugihara, R. Matsuura, H. Nomura, Y. Suzuki, "Magnetization process of artificial spin ice observed by tunnel magnetoresistance effect", 応用物理学会(熊本)、2023年9月.
  3. 久保田均、常木澄人、薬師寺啓、谷口知大、田丸慎吾、山本竜也、杉原敦、松浦稜、野村光、鈴木義茂、”人工スピンアイスにおける磁気結合”、日本磁気学会(大阪)、2023年9月.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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