利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.03.22】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23AT0089

利用課題名 / Title

UVオゾン照射によるパリレンエッチング最適化

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者)/Internal Use (by ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion

キーワード / Keywords

酸化物半導体、電界効果トランジスタ,エレクトロデバイス/ Electronic device,ワイドギャップ半導体/ Wide gap semiconductor,蒸着・成膜/ Vapor deposition/film formation,ALD,光リソグラフィ/ Photolithgraphy


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

井上 悠

所属名 / Affiliation

産業技術総合研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

井上 悠,鬼頭 愛,侯 祐輝

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

山崎 将嗣,郭 哲維,渋谷 直哉

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術代行/Technology Substitution


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-109:6インチ電子ビーム真空蒸着装置(アールデック)
AT-031:原子層堆積装置_1[FlexAL]
AT-025:スパッタ成膜装置(芝浦)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

酸化物半導体は、現在主流となっているシリコン・化合物半導体に比べて大きなバンドギャップを持つことから、電界効果トランジスタのチャンネルとして用いることで、リーク電流を小さくすることができ、低消費電力化や高耐圧化が期待できる。電界効果トランジスタの作製のために、チャンネル直上にゲート絶縁膜を形成することが必要になるが、ゲート絶縁膜として一般的に良く用いられる酸化物誘電体を直接堆積すると、チャンネル部分からの酸素のゲッタリングによって酸素欠損を生じることで、トランジスタの性能が劣化することが問題になっていた。そこで今回は、チャンネルと酸化物ゲート絶縁膜の間に、有機誘電体材料であるパリレンCの酸素拡散抑制層を挿入することでことで、トランジスタの性能を改善することを念頭に、パリレンCのエッチングプロセスの最適化を行ったので報告する。

実験 / Experimental

原料であるジクロロ-[2,2]-パラシクロファンをCVDにより蒸着することでパリレンCを酸化物半導体SrTiO3上に製膜した。その後、フォトリソグラフィーにより、ライン幅10 μmのライン&スペースパターンを作製し、産総研ナノプロセシング施設のオゾンクリーナーでパリレンC層のエッチングを行った。アセトン中で超音波洗浄することでフォトレジストのリフトオフを行った。エッチング時間を変化させながら、原子間力顕微鏡でエッチングされた部分の段差を測定することで、エッチングレートを評価した。
産総研ナノプロセシング施設では、AT-109 6インチ電子ビーム真空蒸着装置や、AT-031 原子層堆積装置を用いて成膜プロセスを行った。

結果と考察 / Results and Discussion

Figure 1に、UVオゾンエッチング後の試料表面の原子間力顕微鏡像を示す。反射率測定によりパリレンCの膜厚を測定すると、(a)3.7 nm、(b)3.5 nm、(c)3.5 nmだった。エッチング時間10秒でも、エッチングされた部分がうっすらと確認できる。エッチング時間50秒では、エッチングされた部分がよりはっきり観測されているのがわかる。エッチングされた部分の段差を求めてみると、エッチング時間10秒では段差が確認できなかったが、50秒では3.94 nmとなり、パリレンCが完全にエッチングされていることが確認できた。エッチングされた部分の微小領域を拡大して測定すると、うっすらとではあるが、SrTiO3のステップ&テラス構造が確認された。エッチング時間40分では、逆に段差が消失している。これは、長時間UVオゾンに晒されたことで、SrTiO3表面が変質したか、レジストが残っている部分のパリレンまで削れてしまったためと考えられる。今回最適化したパリレンエッチングプロセスを用いて、今後トランジスタの作製と評価を行っていく予定である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1 AFM image after UV ozone etching for (a) 10 seconds, (b) 50 seconds, and (c) 40 minutes, and the cross-sectional images.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る