利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.16】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23AT0077

利用課題名 / Title

走査プローブ顕微鏡を用いた窒化物半導体の表面モフォロジー解析

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

窒化物半導体, 貫通転位, ステップテラス構造,エレクトロデバイス/ Electronic device,走査プローブ顕微鏡/ Scanning probe microscope,CVD


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

永瀬 成範

所属名 / Affiliation

産業技術総合研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

郭 哲維

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-047:走査プローブ顕微鏡SPM_2[SPM-9600/9700]


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 窒化ガリウム系共鳴トンネルダイオード(GaN系RTD)での共鳴トンネルおよびサブバンド間遷移現象を用いることで、ピコ秒オーダーで動作可能な高速な不揮発メモリの実現を期待できる[1]。しかし、この不揮発メモリを実現するには、高品質な窒化物半導体の結晶成長技術の確立が不可欠である。今回、産業技術総合研究所ナノプロセシング施設(NPF)の走査プローブ顕微鏡を利用して、サファイア基板上にMOVPE成長したGaN系RTDの表面モフォロジーの解析を行った。

実験 / Experimental

[利用した主な装置]
【NPF067】解析用PC(CADおよびSPM, FT-IR, RAMAN用)
[実験方法]
 走査プローブ顕微鏡SPM_2[SPM-9600/9700]を用いて、これまでに取得してきたAFM像に対して、装置付属のソフトウェアの解析機能(表面粗さ分析および3次元表示機能)を用いることで、サファイア基板上にMOVPE成長したGaN系RTDの表面モフォロジーを解析した。

結果と考察 / Results and Discussion

 Fig. 1には、AFM像の上面および3次元表示を示している。Fig. 1(a)中の小さな黒い点は、窒化物半導体特有の貫通転位を示しているが、その密度を見積もったところ、~109 cm-2であった。また、表面粗さ分析機能を用いて見積もった表面粗さ(Ra)は、0.178 nmであった。これらの値は、他機関からの報告値と同等であることから、良好なMOVPE成長を実現できていることを確認した。また、Fig. 1(b)からは、ステップテラス構造の形成の確認に加えて、貫通転位に起因した凹凸の変化を、より明確に確認できることがわかった。今後は、これらの解析技術を用いて、GaN基板やSi基板上等にMOVPE成長したGaN系RTDの表面モフォロジーを解析し、不揮発メモリ特性への影響を調べていきたいと考えている。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1 (a) Top and (b) 3D views of AFM image for the GaN-based RTD grown on sapphire(0001) substrate using MOVPE.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

参考文献:
[1] M. Nagase et al., Semicond. Sci. Technol. 38, 045011 (2023).


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. M. Nagase et al., “Characterization of Nonvolatile Memory Operations Using GaN/AlN Resonant Tunneling Diodes Fabricated on SOI Substrate,” Compound Semiconductor Week 2023 (Jeju), May 31, 2023.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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