利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.03.08】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23AT0067

利用課題名 / Title

Glass GEM(Gas Electron Multiplier)基板の電極材料の検討

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

放電耐性,Ni電極,Cu電極,Glass GEM,センサ/ Sensor,スパッタリング/ Sputtering


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

伏江 隆

所属名 / Affiliation

株式会社レジメント・ラボ

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

中島 忠行

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-095:RF-DCスパッタ成膜装置(芝浦)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 本年度は、前年度に試作したNI電極基板(Glass GEM)の放電耐性に関して報告する。
 放電耐性についての評価装置の製作及び評価は、産業技術総合研究所 計量標準総合センターの藤原主任研究員にお願いし、Cu電極とNi電極基板を同時評価することで、その差を顕微鏡により観察した。

実験 / Experimental

 貫通穴加工したガラス基板の表裏に、Cu電極とNi電極を形成した2枚の評価用ガラス基板を作製した。
 この時のガラス基板の形状は、下記の通りである。
 ガラス基板の外形寸法:145mm×145mm×0.57mmt
 貫通穴エリア:上記外形の中央エリアに100mm×100mmのサイズに約14万個の貫通穴を形成
 貫通穴の形状:φ0.17mm 貫通穴ピッチ:0.28mm 千鳥配置
 上記ガラスの表裏に高電圧(2250V)を印加させる実験装置(Fig.1)を使用し、印加時間による外観の検査を行った。
 Fig.2は、実験装置のニードル部分の拡大写真である。ニードルの材質は高融点材料であるタングステンを使用している。
 Fig.1,Fig.2の出所:産業技術総合研究所 藤原健様より提供

結果と考察 / Results and Discussion

 Fig.3は、Cu電極とNi電極の2250V印加時間による外観の差である。
 印加時間は、1minから5minまで変化させ、貫通穴周辺電極が放電により変化(変色)していく様子を顕微鏡写真で確認した結果である。
 両社とも時間が長くなると、貫通穴周辺の金属電極にダメージが発生し大きくなることが分かる。しかしながら、電極のダメージは、Cuに比べNi電極の方が少ないことが分かる。これは、電極材料の融点/沸点に関係すると思われる。下記は、Ni及びCuの融点/沸点である。
  Cu 融点/沸点:1085℃/2571℃
  Ni 融点/沸点:1455℃/2890℃
 NiはCuに比べ、融点も沸点も高いことより、放電特性がCu電極より優れていると考えられる。 
    Fig.3の出所:産業技術総合研究所 藤原健様より提供

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig.1 Discharge testing machine



Fig.2 Enlarged photo of the needle



Fig.3 Ni and Cu discharge resistance test results


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

 産業技術総合研究所NPF 中島様には様々な助言を頂き感謝の念にたえません。本当にありがとうございました。
 また、産業技術総合研究所 計量標準総合センターの藤原主任研究員には、評価用専用装置の作製から評価に至るまで多岐に渡るご協力を頂き、誠に感謝致します。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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