利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.03.14】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23AT0052

利用課題名 / Title

レーザー照射後の表面評価 

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions

キーワード / Keywords

電子顕微鏡/ Electronic microscope,表面・界面・粒界制御/ Surface/interface/grain boundary control,高品質プロセス材料/技術/ High quality process materials/technique,膜加工・エッチング/ Film processing/etching


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

欠端 雅之

所属名 / Affiliation

産業技術総合研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

飯竹 昌則

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-004:電界放出形走査電子顕微鏡[S4800_FE-SEM]


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 金属や誘電体材料にフェムト秒レーザーパルスを照射した後に形成される表面の形状評価とその形成機構解明を目的とする研究を行っている。今回、波長や偏光状態の異なるフェムト秒レーザーパルスおよびそれらの組み合わせパルス対を固体表面に照射した際に形成される表面構造について各種条件への依存性を観察した。

実験 / Experimental

 パルス幅約100 fs、波長800 nm の直線偏光レーザーパルスと、その二倍波である波長 400 nmのレーザーパルスを発生し、干渉計を用いて分離し半波長板により偏光状態を制御しお互いに直交する偏光状態にし、相対遅延を調整し同軸上に重ね合わせる。図1に示すように、この直交偏光パルス対を1/4波長板の角度調整により直線偏光パルス対あるいは逆回り円偏光パルス対とし、チタン合金表面に40ショット照射する。
 調整可能な照射条件として相対遅延および各波長成分の照射エネルギーフルエンス(単位面積当たりのエネルギー)を変化させた。表面形状の評価には、電子顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡を用いた。

結果と考察 / Results and Discussion

 初めに基本的データとして、チタン合金表面のアブレーション閾値を二つの波長各々に対して評価した。波長800 nmの閾値に比較して波長400 nmの閾値は数倍低い値であり、従来報告されている値とほぼ同じ値が得られ、実験と評価方法が適切であることを確認した。 
 また、各波長の直線偏光パルスのみを40ショット照射したときに形成される表面構造のフルエンス依存性を観察すると、アブレーション閾値近傍から低フルエンス領域では偏光に平行で周期が非常に細かな微細構造が形成され、アブレーション閾値よりも高いフルエンス領域では偏光方向に垂直で周期が波長よりも幾分小さな微細構造が形成されており、従来の報告と矛盾しない結果であった。
 波長の異なる直線偏光ダブルパルス照射の遅延依存性を調べたところ、±10 ps程度の遅延変化に対して表面微細構造の変化がみられる照射条件があることが確認された。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1  二波長ダブルパルス照射配置.  F:基本波パルス、SH:二倍波パルス、H:水平偏光、V:鉛直偏光、QWP:1/4波長板


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

本研究の一部はJSPS科研費22K04977の助成を受けて実施した。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 欠端雅之、大村英樹、屋代英彦、”ニ波長フェムト秒ダブルパルス照射によるチタン合金の表面周期構造” 第84回応用物理学会秋季学術講演会(熊本)、令和5年9月21日
  2. 欠端雅之、大村英樹、屋代英彦、”ニ波長異偏光フェムト秒ダブルパルス照射によるチタン合金の表面周期構造形成” レーザー学会学術講演会第44回年次大会(東京)、令和6年1月18日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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