利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.02.29】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23AT0044

利用課題名 / Title

新磁性素子試作

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

スピントロニクスデバイス/ Spintronics device,スパッタリング/ Sputtering


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

大沢 裕一

所属名 / Affiliation

YODA-S株式会社

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

山﨑裕一,與田太輔

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

増田 賢一,渋谷 直哉

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術代行/Technology Substitution


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-025:スパッタ成膜装置(芝浦)
AT-095:RF-DCスパッタ成膜装置(芝浦)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

微細な磁性素子を動作させるために、磁性素子を構成する磁性膜に誘起される誘導磁気異方性を制御する必要がある。そのため、磁性素子を覆うパッシベーション膜の応力を制御することが重要である。現在、スパッタSiNx膜をパッシベーション膜として使用している。今回はこのSiNx膜の内部応力をスパッタ圧力を調整することで制御することを目的とした。その結果、成膜圧力を下げるにつれて圧縮応力が増大し、0.14Paでは1000-2000MPaの圧縮応力が発生することが分かった。

実験 / Experimental

実験装置はNPFのスパッタ装置AT-025およびAT-095を使用した。ターゲットはSi3N4 (4N)を用いて、RFスパッタによりSiNx膜を形成した。スパッタガスはAr/N2混合ガスを用いた。圧力はコンダクタンスバルブとガス流量の組み合わせて調節した(表1)。基板はSi基板(3インチφ, 0.6mm厚)を用いて試料テーブルの中央、およびエッジ付近に設置した(図1)。SiNx膜は約50nmを形成した。膜厚はウエハー中心の値とした。SiNx膜の応力計測は薄膜ストレス測定装置(KLA-Tencor製 FLX2320)を用いた。膜の応力はオリフラ平行および垂直方向に計測した値の平均とした。

結果と考察 / Results and Discussion

・結果:図2をもとに説明する。成膜装置AT-025, AT-095とも成膜圧力0.5Pa付近ではほぼ0に近い応力であった。圧力を下げるとともに圧縮応力が増加した。成膜圧力が0.14Pa では1000-2000MPaの圧縮応力となることがわかった。この傾向は成膜装置AT-025, AT-095ともに確認された。また、センター配置よりもエッジ配置にて圧縮応力は大きい傾向にあった。
・考察:NPF-025およびNPF-095は基本的には同じ装置構成を有する。そのため両装置とも似た傾向が表れていると判断される。成膜圧力を下げることにより、膜中に取り込まれるArガスが減少するなど、より密な膜が形成されることで圧縮応力が増加したものと考えられる。また、センター付近よりもエッジに置いた方が圧縮応力が増加した。ターゲット位置に対して基板が直上付近を通るか(エッジ配置)、常に斜め入射となるか(センター配置)で基板へのSiNxスパッタ粒子の入射角の分布が異なる。そのため、膜厚が同じでも膜質が異なり応力値に差が生じたものと思われる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


表1. スパッタ圧力を設定するためのガス流量とコンダクタンスバルブ状態



図1. 基板配置. センター位置は試料テーブル中央に設置. エッジ配置はオリフラを外向きとしてテーブル外周から1cmに来る位置となる. なお, 基板は3インチφ.



図3. SiNx内部応力のスパッタ成膜圧力依存性. 近似線はわかりやすくするためのガイド.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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