利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.07.01】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23NR0027

利用課題名 / Title

有機シリコーンの熱重合形態の解析

利用した実施機関 / Support Institute

奈良先端科学技術大学院大学 / NAIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

固体NMR, 有機シリーン, 29Si-NMR,核磁気共鳴/ Nuclear magnetic resonance,核磁気共鳴/ Nuclear magnetic resonance,コンポジット材料/ Composite material


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

相方 良介

所属名 / Affiliation

株式会社MORESCO

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NR-102:400MHz 固体・溶液NMR


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

固体NMRを用いた有機シリコーンの加熱による構造変化評価
有機シリコーンは加熱により重合を起こし分子量が増加する。低分子の有機シリコーンは有機溶剤に可溶なため液中NMRが測定可能であり、構造を特定することが可能である。一方熱重合により分子量が増加した有機シリコーンは砂のような固体状態となり、有機溶剤に不溶なため液中NMRでは構造を特定することが難しい。
固体NMRを用いることで従来特定難であった、熱重合度合の異なる有機シリコーンの構造特定を行った。

実験 / Experimental

炭化水素基を側鎖に有する有機シリコーンを用い、加熱程度の異なるサンプルの29Si-NMR(固体)スペクトルを確認し、加熱条の違いによる重合程度の差異を確認した。
測定に用いたサンプルは、#1有機シリコーン(熱重合度中)、#2有機シリコーン(熱重合度大) であり、加熱方法は、試料量; 5g、加熱温度と時間; 250℃ 30分(測定試料#1熱重合度中)、加熱温度と時間; 500℃ 30分(測定試料#2熱重合度大)の方法で行った。測定条件は、測定メソッド CPMAS、#1積算回数 4366回、緩和時間 5sec、#2積算回数 1060回、緩和時間 5 secで行った。
NMR測定後スペクトルの#1/#2を比較することで、熱重合度の違いによるスペクトル変化を確認した。

結果と考察 / Results and Discussion

#1のスペクトルにおいては、主に3つのピーク群が確認された。それぞれ1: 0ppm、2: 10-40ppm、3: 130ppm辺りに確認された。それぞれの帰属は、1: 有機シリコーン分子の最末端部位に導入されているメチル基、2: 側鎖に置換している脂肪族アルキル基、3: 重合により生成された分岐部位に置換している炭素。3: の構造については-OSi(-OSi-)(-R)-OSi--の様な分岐構造と推測しており、構造中のR由来のピークでると思われる。
#2のスペクトルにおいては、#1に確認された側鎖由来の2: のピークは検出されなかった。加熱により側鎖に置換した炭化水素部位は分解し蒸発してしまったと考えられる。一方#2中3:のピークについては#1よりも増加が認められた。加熱によりシリコーンが重合を起こし、分岐部位が増加したためと考えれる。
以上の検証より、固体29Si-NMRを用いることで、液中NMRでは確認されなかった、加熱による有機シリコーンの構造変化を推定することが可能となった。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


固体NMRスペクトル


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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