利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.07.01】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23NR0017

利用課題名 / Title

フォトクロミックジアリールエテン類と発光ラジカルPyBTM誘導体の開発

利用した実施機関 / Support Institute

奈良先端科学技術大学院大学 / NAIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed

キーワード / Keywords

光機能材料、フォトクロミック材料、ジアリールエテン、有機EL材料,フォトニクスデバイス/ Nanophotonics device,質量分析/ Mass spectrometry,光デバイス/ Optical Device,質量分析/ Mass spectrometry,電子分光/ Electron spectroscopy


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

服部  陽平

所属名 / Affiliation

龍谷大学 先端理工学部 応用化学課程/理工学部物質化学科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

河合 壯,西川 嘉子,淺野間 文夫,片尾 昇平,山垣 美恵子

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NR-104:電子スピン共鳴装置
NR-501:マトリックス支援レーザーイオン化Spiral飛行時間型質量分析計
NR-502:二重収束型質量分析計
NR-504:LC/TOFMS高分解能飛行時間型質量分析装置
NR-704:全自動元素分析装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

光機能材料として開発されているいくつかのフォトクロミックジアリールエテンの同定を行った。また、光機能材料、特に有機EL発光体として期待されている新規発光ラジカルPyBTM誘導体の同定及びスピン分析を行った。

実験 / Experimental

龍谷大学で新規に合成したフォトクロミックジアリールエテンや新規発光ラジカルPyBTM誘導体とその前駆体について、高分解能質量分析(HRMS)や元素分析を行った。また、新規PyBTMジラジカルを合成したため、2つのラジカル間での磁気的相互作用を調べるため低温に冷やして温度依存の電子スピン共鳴(ESR)スペクトルを測定した。

結果と考察 / Results and Discussion

高分解能質量分析(HRMS)とは、分子の質量について正確に知るための測定であり、今回はその中でもマトリックス支援レーザーイオン化法(MALDI)を用いる飛行時間型質量分析(TOF MS)装置を用いた。既に論文に掲載されている結果について抜粋する。aH-TippF2PyBTM
HRMS(MALDI-TOF MS positive mode) m/z: [MH]+ calcd for C33H31Cl5NF2+ 654.08617; found 654.08662.
aH-Ph*PyBTM
HRMS (MALDI-TOF MS positive mode) m/z: [MH]+ calcd for C29H23Cl5NF2+ 598.02357; found 598.02323.
TippF2PyBTM
HRMS (MALDI-TOF MS negative mode) m/z: [M]- calcd for C33H29Cl5NF2- 652.07162; found 652.07115.
Ph*F2PyBTM
HRMS (MALDI-TOF MS negative mode) m/z: [M]- calcd for C29H21Cl5NF2- 596.00902; found 596.00916.挙げられた4つの化合物aH-TippF2PyBTM、aH-Ph*PyBTM、TippF2PyBTM、Ph*F2PyBTMは発光材料として用いるための新規合成のラジカル分子あるいはその前駆体である。その物性の詳細とその考察については長きにわたる上、本研究手法とは直接関係ないので省略する。calcdは計算による精密質量の予想値であり、foundは実際に観測されたイオンの質量である。その2つが極めて近い値にあることは、その分子の分子式が妥当であるという重要な証拠をあたえる。上記の新規合成のラジカル分子あるいはその前駆体では全てcalcdとfoundの値が十分な精度で一致しており、合成の結果目的の分子が得られていることが確かめられた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

昨年に引き続き実験を行ってくださった技術専門職員の西川・山垣・片尾・淺野間様に感謝申し上げます。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Yohei Hattori, Effects of hydrocarbon substituents on highly fluorescent bis(4-phenylphenyl)pyridylmethyl radical derivatives, Materials Advances, 4, 5149-5159(2023).
    DOI: 10.1039/d3ma00469d
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 服部陽平,山本航平,北島稜大,内田欣吾,”フェニレン架橋PyBTMジラジカルの合成と発光特性”第33回基礎有機化学討論会(岡山),令和5年9月13日
  2. 服部 陽平,北島 稜大,山本 航平,松岡 亮太,草本 哲郎,内田 欣吾,”オルト置換フェニル基を有するPyBTM及びF2PyBTMの発光特性”2023年光化学討論会(広島),令和5年9月5日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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