利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.21】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23UT1142

利用課題名 / Title

高い空間分解能を持つ中性子用イメージングセンサーの開発

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

スッパタリング, シリコン基材料・デバイス, イメージングセンサー,センサ/ Sensor,スパッタリング/ Sputtering


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

神谷 好郎

所属名 / Affiliation

東京大学素粒子物理国際研究センター

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

水島彩子

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-711:LL式高密度汎用スパッタリング装置(2019)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

X 線、γ 線、また電子線などの量子ビームのイメージングには、その空間解像度や時間分解能の優位性、また電気的制御による扱いの自由度の高さから、 半導体技術をベースにしたピクセルセンサーが広く使われている。実験グループでは、センサーの裏面に硼素薄膜を作り、中性子用イメージングセンサーを開発してきた[1]。本研究においては、位置分解能の改善を目的にサンドイッチ型の中性子用イメージングセンサーを試作した。そのための、高密度薄膜の形成試験を行った。

実験 / Experimental

LL式高密度汎用スパッタリング装置を用い、硼素薄膜とその保護膜の成膜条件をコントロールしながら各種イメージング素子の製作を行う。特に、サンドイッチ型センサーに適する保護層の探索を行った(図1)。

結果と考察 / Results and Discussion

成膜したセンサーを読出し基盤へ実装し、X線、γ線、電子線、およびα線に対する応答を確認した。また、中性子線の照射試験を行い、低速中性子からの特徴的なシグナルを得ることができた(図2)。サンドイッチ型の検出条件のアクセプタンス率について評価することができた。その結果を、国際会議 13th International "Hiroshima" Symposium on the Development and Application of Semiconductor Tracking Detector (HSTD13) にて報告した。硼素薄膜と保護膜の条件の最適化には、さらなる考察を必要とすることが確認された。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 サンドイッチ型中性子用イメージングセンサーの実装例。2枚のセンサーの間に硼素薄膜が挟まっている。



図2 中性子からのイベントは、イメージングセンサー上でクラスタ形状を示す。図は横軸をクラスタの体積、縦軸をクラスタの幅に対応した散布図。中性子-硼素の反応を特徴付けるふた山の分布(2種の二次粒子からの分布)が得られた。


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

[1] Y. Kamiya, T. Miyoshi, H. Iwase et al., Nucl. Instrum. Methods A 979, 164400 (2020)
本研究は、JSPS科研費 23H00106, 18H04343, 18H01226, 17H05397 の助成を受け行いました。サンドイッチ型の基板実装の試験には 2023年度, 2022年度, 2021年度のTIAかけはしからの助成を受けて行いました。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. Y. Kamiya, R. Nishimura, S. Mitsui et al., "Development of Two-Dimensional Neutron Imager with a Sandwich Configuration", 13th International "Hiroshima" Symposium on the Development and Application of Semiconductor Tracking Detector (HSTD13), Vancouver, Canada, 4-8 Dec. 2023
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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