利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.03.19】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23UT1130

利用課題名 / Title

単層カーボンナノチューブ分割ゲート発光素子構造の作製

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions

キーワード / Keywords

スパッタリング/ Sputtering,電子線リソグラフィ/ EB lithography,膜加工・エッチング/ Film processing/etching,ダイシング/ Dicing,フォトニクス/ Photonics,ナノチューブ/ Nanotube


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

加藤 雄一郎

所属名 / Affiliation

理化学研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

寺嶋 亘

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-503:超高速大面積電子線描画装置
UT-604:高速シリコン深掘りエッチング装置
UT-711:LL式高密度汎用スパッタリング装置(2019)
UT-703:8インチ汎用スパッタ装置
UT-900:ステルスダイサー


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

単層カーボンナノチューブを用いた電気駆動型高効率発光素子を実現することを目的として、東京大学マテリアル先端リサーチインフラ・データハブ拠点の設備を利用して、 分割ゲートをもつ架橋カーボンナノチューブ発光素子構造を作製した。

実験 / Experimental

【利用した主な装置】 超高速大面積電子線描画装置、高速シリコン深掘りエッチング装置、8インチ汎用スパッタ装置、LL式高密度汎用スパッタリング装置、ステルスダイサー、クリーンドラフ ト潤沢超純水付【実験結果】 Fig. 1(a)に作製したカーボンナノチューブ(CNT)発光素子構造の概略図を示す。電子線描画装置と高速シリコン深掘りエッチング装置を用いて深さが2.1μm、幅が0 .5から3μmの溝構造を形成した。2段式チューブ炉を用いてトップシリコン層を熱酸化し、20nm厚、幅500nmのゲート絶縁膜を形成した。電子線描画装置、8インチ汎用スパッタ装置、 LL式高密度汎用スパッタリング装置を用いてゲート電極(5nm Ti/40nm Pt)を形成した。電子線描画装置を用いて触媒用パターンを形成した。ステルスダイサーで4mm角のチップに切り出した。その後、当研究室にて触媒のCoを電子線蒸着した後、化学気相成長法を用いてCNTを合成した。チップをチップキャリアに固定後ワイヤボンディングを施し、分割ゲート架橋CNT発光素子を完成させた(Fig. 1(b)参照)。 

結果と考察 / Results and Discussion

走査電子顕微鏡観察(Fig. 2参照)によって、ほぼ設計通りのデバイス構造を作製できたことを確認した。片側のゲートに直流電圧を、もう片方に方形波の交流電圧を印加し発光測定を行ったところ、CNTのフ ォトルミネセンスと同等の発光波長と半値幅をもつエレクトロルミネセンス(EL)を観察した 。さらに、超高感度単一光子検出器を用いてEL強度の周波数依存性を測定したところ、EL強度が周波数に比例して増加することが分かった。これは交流ゲート電圧の極性の切り替わりのタイミングでフォトンが生成していることを示唆するものである。また、当施設で作製したデバイス構造が適切に機能していることを示している。 

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1: (a) Schematics of a device structure with trench widths of 0.5 to 3 μm with a trench depth of 2.1 μm. (b) Optical micrograph of the overall view of the device. Scale bar is 4 mm. 



Fig.2:  Scanning electron microscope image of the fabricated device. Scale bar is 1 μm. 


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

【謝辞】 学術支援専門職員の藤原誠様、水島彩子様には、電子線描画、スパッタ装置に 関して、その方法・手法など丁寧にご教示くださったことに感謝いたします。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 寺嶋亘、加藤雄一郎 “Study on carbon nanotube-based charge-pumping quantum emitting devices,” 新領域開拓課題「一分子の科学」秋合宿, 静岡県御殿場市(2023年10月6日).
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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