利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.21】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23UT1129

利用課題名 / Title

トポロジカル量子材料の機能開拓

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed

キーワード / Keywords

スピントロニクスデバイス/ Spintronics device,スピン制御/ Spin control,トポロジカル量子物質/ Topological quantum matter,蒸着・成膜/ Vapor deposition/film formation,光リソグラフィ/ Photolithgraphy,スピントロニクス/ Spintronics


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

関 真一郎

所属名 / Affiliation

東京大学大学院工学系研究科総合研究機構

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

北折曉,吉持遥人,荒木那巨,摂待裕生,吉田海琉,Nguyen Duy KHANH

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-505:レーザー直接描画装置 DWL66+2018
UT-700:4インチ高真空EB蒸着装置
UT-800:クリーンドラフト潤沢超純水付


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

本研究では、系の対称性やトポロジーといった幾何学的な性質に基づいた物質設計を通じて、革新的なエレクトロニクス・スピントロニクス機能を実現することを目指している。特に、スピントロニクス材料における情報・熱・スピン流の主要な伝送媒体であるマグノンの制御技術は応用上の価値も高い。情報伝搬の制御に欠かせない技術として非相反な伝搬・整流効果があるが、マグノンに関しては時間・空間反転対称性を破るコニカル磁気構造を用いることで、空間反転対称な結晶構造の物質でも実現できる可能性がある。コニカル磁気構造は室温においてもHexaferriteなどの物質で観察されることが知られており[1]、実用に即したデバイス開拓につながりやすいと期待される。

実験 / Experimental

レーザー直接描画装置(DWL66+)と4インチ高真空EB蒸着装置(NSP II)を利用し、熱酸化処理されたシリコン基板上にマグノン伝搬測定用waveguide金電極パターンを作製した。

結果と考察 / Results and Discussion

作製した基板上にFIBを用いて切り出したHexaferrite単結晶試料を載せ、タングステンを用いて固定を行った(図1)。ベクトルネットワークアナライザを使用し、本試料を用いた伝搬スピン波分光を実施した。その結果、室温コニカル磁性相において明瞭なマグノン伝搬の観測に成功し、非対称なマグノン分散関係を反映した非相反性を示すことを明らかにした。これらの成果は、コニカル磁性の時間・空間反転対称性の破れに起因した新しい原理のマグノンダイオード効果を示唆するものである。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1:Hexaferriteを用いたマグノン伝搬測定用デバイスの写真


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

[1] T. Kimura, Ann. Rev. Cond. Mat. Phys., 3, 124101 (2012)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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