利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.16】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23UT1113

利用課題名 / Title

ナノピクセル光集積回路の研究

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions

キーワード / Keywords

スパッタリング/ Sputtering,電子線リソグラフィ/ EB lithography,膜加工・エッチング/ Film processing/etching,電子顕微鏡/ Electronic microscope,光導波路/ Optical waveguide,フォトニクスデバイス/ Nanophotonics device,光デバイス/ Optical Device,フォトニクス/ Photonics


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

浜本 貴一

所属名 / Affiliation

九州大学大学院総合理工学研究院

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

姜 海松,桒畑 亮太

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

藤原 誠,肥後 昭男,水島 彩子

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術相談/Technical Consultation


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-503:超高速大面積電子線描画装置
UT-855:高精細電子顕微鏡
UT-600:汎用ICPエッチング装置
UT-703:8インチ汎用スパッタ装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

ナノピクセル光集積回路において、百ナノ径程度のナノホールを製作するため、東京大学の設備を利用した。電子線描画及びICPドライエッチングを行った後、高精細電子顕微鏡で観察した。今年度は、シリコン導波路だけではなく、アクティブデバイスに使われるInPなどの化合物半導体材料でのナノホールの製作条件を確認し、ナノホールの試作に成功した。  

実験 / Experimental

①InP材料と電子線描画用のレジスト(ZEP520A)のエッチングの選択比が不十分であるため、SiO2膜をマスクとする必要がある。スパッタ装置(UT-703)を利用して、InP化合物半導体材料上にSiO2成膜した。 ②超高速大面積電子線描画装置(UT-503)を利用して、InPとInGaAsP材料上のレジスト(ZEP520A)の感度曲線を確認した後、Character Projection機能を利用して、直径が90nm~200nmまでのナノホールの描画を行った。 ③ICPエッチング装置(UT-600)を利用して、CHF3ガスでSiO2マスクのドライエッチングを行った。 ④ 高精細電子顕微鏡(UT-855)を利用して、SiO2マスクの形成状況を確認した。 ⑤武田クリーンルームと別のICPエッチング装置で、CH4とH2ガスでInP材料のトライエッチングを行い、電子顕微鏡(UT-855)を利用して、InP材料でのナノホールの形成状況を観察した。

結果と考察 / Results and Discussion

Fig. 1にInPとInGaAsP材料のレジスト(ZEP520A)感度曲線を示す。InP材料上は70µC/cm2で、InGaAsP材料上は85µC/cm2で飽和していることが確認できた。異なるドーズ量で形成したナノホールのSEM観察結果をFig. 2に示す。また、Fig. 3に、ICPエッチング装置で形成したSiO2マスクのナノホールパターンの観察結果を示す。形成したSiO2マスクを用いて、InP材料のエッチングを行い、ナノホールの製作に成功した。Fig. 4に製作したInP材料のナノホールの観察結果を示す。これらの実験を通じて、シリコン材料だけではなく、InP材料上でもナノホールを製作することができた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1 InPとInGaAsP材料上のレジスト(ZEP520A)の感度曲線。(a) InP材料上の感度曲線;  (b) InGaAsP材料上の感度曲線。



Fig. 2 異なるドーズ量で形成したナノホールの観察結果(レジスト:ZEP520A)。



Fig. 3 SiO2マスクのナノホールパターンの観察結果。



Fig. 4 InP材料上製作したナノホールの観察結果。


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

・参考文献  ・セコム科学技術振興財団一般研究助成 ・藤原誠, 肥後昭男, 水島彩子(東京大学)に感謝します。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Yuta Shimamura, Precise asymmetric power‐splitter (1.7:1) by using nano‐pixel waveguide, Electronics Letters, 59, (2023).
    DOI: 10.1049/ell2.12831
  2. Haisong Jiang, 9:1 Asymmetric Power Splitter Based on Nano-Pixel Waveguide, IEEE Photonics Technology Letters, 35, 1239-1242(2023).
    DOI: 10.1109/lpt.2023.3313944
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. Haisong Jiang, Ryota Kuwahata, Junliang Guo, and Kiichi Hamamoto, “First observation of slow light effect in nano-pixel waveguide,” MOC2023(宮崎), 令和5年9月28日
  2. Islam Mohammad Shafiqul, Haisong Jiang, Ryota Kuwahata, Zhonghao Zheng, and Kiichi Hamamoto, “90 ̊ nano-pixel bending waveguide toward highly compact reflecting element,” MOC2023(宮崎), 令和5年9月26日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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