【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.03】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23UT1112
利用課題名 / Title
塗布成膜有機/無機半導体の構造制御
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
太陽電池/ Solar cell,電子顕微鏡/ Electronic microscope,熱電材料/ Thermoelectric material,X線回折/ X-ray diffraction
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
辻 佳子
所属名 / Affiliation
東京大学環境安全研究センター
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
林 文暉,大槻 翼
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),機器利用/Equipment Utilization
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
UT-202:高輝度In-plane型X線回折装置
UT-855:高精細電子顕微鏡
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
有機無機ハイブリッドペロブスカイト結晶を活性層に用いた太陽電池(PSC: Perovskite Solar Cell)は溶液プロセスを用いた低コストかつ大面積化が可能な高効率太陽電池として注目を集めている。薄膜成膜方法の一つに霧化成膜法がある。PSCの積層構造において、透明導電膜SnO2および電子輸送層の構造制御は可能であるものの、今までペロブスカイト活性層の成膜にはスピンコート成膜でのみ検討されており、インラインプロセスのような連続プロセスが成立しない大きな課題となっている。本研究では、超音波霧化成膜によってモフォロジーの優れた結晶性のよいペロブスカイト膜を成膜することを目的とした。
実験 / Experimental
まず、CsPbI3およびCsPbBr3の粉末の温度上昇に伴う相変化をin situ XRDにて確認した。
次に熱酸化膜付きSi基板に霧化成膜にてSnO2:Fを作製し、その上に、CsBrとPbBr2のDMSO溶液を調液し、2.4MHzの超音波で霧にして、加熱した基板上に供給することによってCsPbBr3膜の成膜を試みた。また、霧を供給するノズルを2本にし、1方からは貧溶媒を供給し、同様に成膜を試みた。 作製した膜の構造をXRDおよびSEMにて評価した。
結果と考察 / Results and Discussion
熱分析の結果、CsPbI3は加熱後の冷却によりペロブスカイト以外の相が発現するが、CsPbBr3は加熱冷却プロセスにより相変化が起きない。そこで、CsPbBr3について、薄膜形成を試みた。
まず、基板温度依存性を検討した。温度が低いときは、液相の塗布乾燥プロセスにより膜形成されるが、温度が高いときは、ライデンフロスト現象、つまり、CVDと同様の気相成長により膜形成される。本系においては、液相プロセスでの成膜の方が膜のモフォロジが向上することがわかった。
次に、基板温度100℃にて、溶液濃度依存性を検討した。いづれの溶液濃度でもペロブスカイト相のみがXRDで検出された。溶液濃度を増大させると、成膜速度は上昇するが、溶液濃度の増加により霧化率が低くなるため、溶液濃度と成膜速度はリニアの関係にはないことが分かった。しかし、溶液濃度を上げる方が、膜のモフォロジに向上がみられた。
2ノズルで貧溶媒を用いた場合には、更に膜質が向上した。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件