利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.07.03】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23UT1090

利用課題名 / Title

ナノ構造形成技術の開発

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions

キーワード / Keywords

太陽電池/ Solar cell,膜加工・エッチング/ Film processing/etching,量子効果/ Quantum effect


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

尹 友

所属名 / Affiliation

群馬大学大学院理工学府

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

桒原 憂也

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-600:汎用ICPエッチング装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

近年、エネルギーの需要が高まる中、東日本大震災以降、太陽光を有効利用した発電等の再生可能エネルギーの普及に大きな期待が寄せられている。太陽電池は、世界各国で盛んに研究されており、実用レベルにおいても20%超の変換効率に達した。今後更なる高変換効率を目指し、将来は第三世代の3次元量子ドット太陽電池(理論変換効率:63%)の出現が予測されている。本研究では、新型量子ドット構造を有する太陽電池を開発し、2050年に向け、量子効果を最大限に発揮させ、変換効率40%超を目指す。私たちがナノ加工技術を駆使し、量子ドット構造の形成方法を確立する。従来の量子ドットのサイズや配置の不揃い等を解消し、太陽光スペクトルとの整合性が大きく改善できる量子ドット型太陽電池の開発を最終的な目的とする。以上の目的を達成するため、ブロックコポリマーを用い、ナノドット列を作製した。

実験 / Experimental

先ず、1cm角のSi基板を切り出す。その後、調整したPS-PDMS溶液をスピンコートし、基板を170℃でアニールする。アニールによってミクロ相分離を起こし、秩序状態となったPS-PDMSを反応性イオンエッチング(RIE)により削ってPDMS量子ドットを顕在化させる。

結果と考察 / Results and Discussion

PS-PDMS 28000-6000 g/molとPGMEAを天秤により測り、PGMEAに溶かし、濃度1%、2%と3%の溶液を調製した。これらの溶液を利用し、回転速度を3000、5000、7000 rpmとし、PS-PDMSをスピンコートした。アニールした後に、CF4のガス雰囲気中でRIEを10 s行い、上部のPDMSのナノ層を除去した。また、O2のガス雰囲気中でRIEを60 s行い、PSを削ってPDMS量子ドットを露出させた。溶液濃度と回転速度を変えてもすべての溶液濃度と回転速度において量子ドットを形成することができた。また、DectakXT-Sによりアニール後のPS-PDMS 28000-6000 g/molの膜厚を測定した。各条件で作製したナノ構造のSEM像を図1に示す。SEM像によると、溶液濃度1%の場合、回転数が上がるにつれて、量子ドットの間隔が大きくなり量子ドット密度が小さくなったことがわかる。7000 rpmで形成した薄膜の厚さはわずか10nm程度であり、量子ドットが形成することは困難である。また、溶液濃度2%の場合、5000と7000 rpmのSEM像を見ると、均一性の良い量子ドット列が形成した。溶液濃度3%の場合、局所的に集まるような配列となる。以上の結果により、このPS-PDMS 28000-6000 g/molを用いる場合は、適切な量子ドット作製条件は膜厚30 nm程度で溶液濃度2%とスピンコート回転速度5000と7000 rpmである。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 ナノ構造形成結果(分子量:28000-6000 [g/mol])。スケールバーは100nmである。


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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