利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.16】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23UT1048

利用課題名 / Title

トップダウン加工によるナノ流体デバイスの開発

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

スパッタリング/ Sputtering,リソグラフィ/ Lithography,電子線リソグラフィ/ EB lithography,膜加工・エッチング/ Film processing/etching,流路デバイス/ Fluidec Device,μTAS,MEMS/NEMSデバイス/ MEMS/NEMS device


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

嘉副 裕

所属名 / Affiliation

慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

垣内 理那,山野 紘一郎,杉田 昌平,大庭 将也,津田 水登,渡部 勇暉,廣木 亮太

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-603:汎用高品位ICPエッチング装置
UT-608:汎用NLDエッチング装置
UT-701:川崎ブランチスパッタリング装置
UT-711:LL式高密度汎用スパッタリング装置(2019)
UT-505:レーザー直接描画装置 DWL66+2018


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

様々な機能を微小空間に集積化するマイクロ流体工学が進展し、近年は100 nmのナノ空間へと展開している。極小空間で試料を微量化して、支配的な表面効果を利用することで、可算個分子レベルの化学操作が実現し、単一分子分析などの極限分析への応用展開が期待される。本研究では、東京大学ARIM微細加工部門及びナノ・マイクロ産学官共同研究施設NANOBICの設備を利用して、超微量の流体操作が可能なナノ流体デバイスを作製した。

実験 / Experimental

ガラス基板に電子線レジストZEP520A(日本ゼオン)をスピンコートして、電子線描画装置によりナノ流路パターンを描画した。現像によりレジストを除去した後、ドライエッチングによりナノ流路を加工した。更にフォトリソグラフィとドライエッチングによりマイクロ流路を加工した後、マイクロドリルによりガラス基板に導入孔を加工し、もう1枚の基板と接合してデバイスを作製した。

結果と考察 / Results and Discussion

作製したナノ流体デバイスとナノ流路の一例を図1に示す。幅・深さ80 nmのナノ流路および深さ400 nmのナノ流路の階層構造、更にこれに加えて1粒子のみを通過させるナノフィルタ構造、試料導入のためのマイクロ流路の加工に成功した。今後はこのデバイスを用いて、デバイスに導入した超微量試料から目的とする1粒子のみをサンプリング、プロセシングすることで、1粒子単位の分析の実現を目指す。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 ナノ流路の階層構造を有するナノ流体デバイス


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

科研費・挑戦的研究(開拓)「ナノ空間極小液滴操作による1分子化学処理法の開発とサイトカイン1分子分析への応用」、科研費・基盤研究(A)「光散乱を用いたナノ空間の非蛍光1粒子超解像度3次元追跡法の開発」


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. Rina Kakiuchi, Yutaka Kazoe, Development of a sampling method for single nanoparticles utilizing hierarchical nanofluidic channels, The 16th IEEE International Conference on Nano/Molecular Medicine & Engineering (IEEE-NANOMED 2023), Okinawa, Japan, 2023/12/5-12/8.
  2. Yo Saeki, Yutaka Kazoe, Measurement of particle behavior in micro/nanochannels using defocusing nano-PIV, The 76th Annual Meeting of the Division of Fluid Dynamics (2023 APS DFD), Washington, DC, U.S.A., 2023/11/19-11/21.
  3. 山野紘一郎, 嘉副裕, 干渉散乱光を用いたナノ空間非蛍光1粒子追跡法の開発, 日本機械学会第14回マイクロ・ナノ工学シンポジウム, 熊本, 2023/11/6-11/8.
  4. 杉田昌平, 小山瑞歩, 嘉副裕, ガラスの弾性変形を用いたナノ流路開閉バルブの集積化に向けた水圧駆動アクチュエータの開発, 日本機械学会第14回マイクロ・ナノ工学シンポジウム, 熊本, 2023/11/6-11/8.
  5. 嘉副裕, 田中美典, 佐伯陽, 花崎逸雄, ナノ粒子挙動の統計力学的解析にもとづく超解像度PIVの高精度化, 日本流体力学会年会2023, 東京, 2023/9/20-9/22.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る