【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.21】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23UT1041
利用課題名 / Title
2次元FETの集積化
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions
キーワード / Keywords
蒸着・成膜/ Vapor deposition/film formation,電子線リソグラフィ/ EB lithography,原子薄膜/ Atomic thin film,先端半導体(超高集積回路)/ Ascanced Semiconductor (Very Large Scale Integration)
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
長汐 晃輔
所属名 / Affiliation
東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
李曙紅
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
UT-709:パリレンコーター
UT-500:高速大面積電子線描画装置
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
2次元層状FETにおいて,トップゲートhigh-k絶縁膜特性の電気的信頼性は重要である.これまでに差圧型蒸着装置を新規に構築しEr金属を酸素雰囲気下で酸化蒸着させることでEr2O3の特性の経時変化を調べてきた.ここでEr2O3は吸水性を示すことが知られている.通常のフォトリソグラフィでは現像液の95%以上が水のためデバイス作製過程でEr2O3の劣化が起こることが懸念される.デバイス作製過程での劣化を検討するため水を用いない電子線描画によって作製したデバイスと比較検討を行った.
実験 / Experimental
機械剥離した単層MoS2をSiO2 (108 nm)/n+-Si上に転写し,ソース・ドレイン電極Ni/Au(0.5nm/30 nm)を蒸着した.次に,酸素分離型熱蒸着装置を用いて絶縁膜Er2O3(5 nm)を堆積した.フォトリソ及び東京大学共用施設のEBリソにより描画後,トップゲート電極Au(30 nm)を形成し,デバイス特性評価を行った.また,コントロール試料として,SiO2/Si基板上にEr2O3を堆積し,フォトリソ及びEBリソにより描画後,トップゲート電極Au(30 nm)を形成した.CV測定により誘電率を決定した.
結果と考察 / Results and Discussion
SiO2/Si基板上に堆積したEr2O3のCV測定により決定した誘電率は,EBリソで作製した試料の方がフォトリソで作製した試料よりも高かった.両方の試料において100日後に再計測したが,誘電率は変化しなかった.このことから,フォトリソ時の水による劣化は作製プロセス時のみに影響を与え,その後の経時劣化には影響しないことが分かった.一方.FETデバイスの特性評価からトップゲート絶縁膜のEr2O3の誘電率を求めた結果,EBリソ及びフォトリソにより作製したデバイス両方においてeTG = 2~15とデバイスごとに大きなばらつきを示し,どちらも 100日後の再計測で経時劣化を示した.フォトリソ時の現像液中の水の影響は,最初の誘電率の劣化にのみ寄与するが経時変化に寄与しないことを考えると,フォトリソにより作製されたFETデバイスにおける誘電率の経時劣化は2次元チャネル上のEr2O3における問題であると考えられる.機械転写により得たMoS2は基板との間に有機物等のバブルを含むことが知られており,空間的には均一とは言えない.更なるhigh-k絶縁膜特性の電気的信頼性の評価にはウエハースケールで均一なチャネル上での議論が必須であると言える.
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1:SiO2/Si基板上に堆積したEr2O3のCVにより決定した誘電率の経時変化.図2:MoS2上に堆積したEr2O3のFET特性から決定した誘電率の経時変化.
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- Shuhong Li, Tomonori Nishimura, Kosuke Nagashio, “Er2O3 top gate MoS2 FET with EOT lower than 1 nm”, International Conference on Solid State Devices and Materials (SSDM), (September. 6, 2023, Nagoya Congress Center, Aichi).
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件