【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.03.21】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23UT1026
利用課題名 / Title
圧電MEMS技術による音響トランスデューサー
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
MEMS/NEMSデバイス/ MEMS/NEMS device,センサ/ Sensor,スパッタリング/ Sputtering,膜加工・エッチング/ Film processing/etching,光リソグラフィ/ Photolithgraphy
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
鈴 木謙次
所属名 / Affiliation
コニカミノルタ株式会社
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
中山雄太,清水直紀,八木晃
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
三田吉郎,水島彩子,三角啓
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
UT-604:高速シリコン深掘りエッチング装置
UT-600:汎用ICPエッチング装置
UT-605:塩素系ICPエッチング装置
UT-504:光リソグラフィ装置MA-6
UT-711:LL式高密度汎用スパッタリング装置(2019)
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
音響トランスデューサーでは観測対象物の種類や周波数帯に応じて異なる電気的特性が求められる。本研究グループでは同一のPMUT( Piezoelectric Micromachined Ultrasonic Transducer)アレイ構造で構成されるトランスデューサー素子に対し、個々のPMUT間の微細配線の接続形態を可変にすることで電気特性を制御することを検討している。本年度はコンセプト検証を目的として、従来の全並列接続型PMUTアレイと直並列接続混載型PMUTアレイを試作し、その静電容量制御が可能なことを確認した。
実験 / Experimental
東京大学のMEMS加工装置群を用いてPMUT間の配線接続形態が異なる素子が含まれるPMUTアレイを試作した。MEMS加工に用いたフォトマスクは高速大面積電子線描画装置で作製した。PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)と下部電極(Ti/Pt)を予めスパッタ堆積させたSOI基板は社にて予め用意した。トランスデューサーの表面側は、まずドライエッチングで下部電極とPZTを順次パターニングした。次に絶縁層をスパッタ装置にて堆積させ、上部電極(Au)をスパッタ堆積させ、ウエットエッチングでパターンニングした。裏面側は表面パターンとバックサイドアライメントによる合わせ露光を行い、BoshエッチングでSiを深堀りしダイアフラムを形成した。作製したトランデューサーはPCB基板に貼りMEMSパットとPCB基板間はワイヤーボンディングで配線した。評価は各素子の静電容量値をLCRメータで測定した。
結果と考察 / Results and Discussion
試作したトランデューサーの全体像をFig. 1に示す。全32素子、各素子間の距離は0.4mm、1素子に含まれるPMUTは108個である。PMUT間の電極配線の異なる2種類の素子(α)(β)が含まれている。PMUT間の配線を拡大した図をFig. 2に示す。(α)は素子に含まれる全てのPMUTが並列接続されている。一方、(β)では縦方向には並列接続、横方向には3つのPMUTを直列接続している。Fig. 3にPMUTの断面とαおよびβの配線の差異の概略図を示す。各素子の静電容量値を測定した結果をTab. 1に示す。理論計算による予測値、実測値およびその差異を示している。αとβのそれぞれの容量値は予測値とほぼ一致した。つまりPMUTの構造は変えずに配線のみで静電容量を制御することが可能であることを確認できた。今後はトランスデューサーの音響(放射、受信)的特性について評価を行う予定である。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1, 1D-PMUT array viewed form radiation direction
Fig. 2, Enlarged diagram of parallel and series wiring between PMUTs
Fig. 3, Two types of wiring connection types between PMUTs
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
技術補佐員の皆様、及び東京大学工学部三田研究室の皆様には、装置の基礎操作から測定・評価法に至るまで甚大なるご助力いただきましたこと、ここにお礼申し上げます。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:2件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件