【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.02.22】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23WS0001
利用課題名 / Title
ダイヤモンド中のNVセンター形成に関する研究
利用した実施機関 / Support Institute
早稲田大学 / Waseda Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
スピン制御/ Spin control,電子線リソグラフィ/ EB lithography
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
小野田 忍
所属名 / Affiliation
量子科学技術研究開発機構
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
斎藤大樹
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
谷井孝至,加藤 篤
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub),機器利用/Equipment Utilization
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
ダイヤモンド中のNVセンターの電子スピンは量子計算や量子計測にとって優れた特性を有する。NVセンターの形成位置を精密に制御するためには、パターニングされたレジストマスクを通して窒素イオンを注入し、その後、熱処理を施すことによってイオン注入時の導入された原子空孔と会合させる必要がある。この熱処理は、一般に、800℃から1000℃で真空中や窒素雰囲気下で実行されるが、注入された窒素イオンがNVセンターになる過程について熱処理条件等の観点から追跡した例はない。この理由は、多量の窒素をダイヤモンド表面に注入すると、複数のNVセンターが同時に形成され、その蛍光像から個々のNVセンターを識別・追跡できなくなるからである。そこで、孤立した円形パターンを規則配列したレジストマスクを電子線描画により形成し、イオン注入の際の窒素イオンドースを制御することにより、円形パターン内に生成されるNVセンターの個数を制御し、また、熱処理条件に依存して窒素イオンの熱拡散の影響等を実験的に調べた。
実験 / Experimental
早稲田スポークの電子線描画装置を用いて、レジスト膜に図1のパターンを形成した。パターニング条件は下記の通りである。単結晶ダイヤモンド(寸法:4.5x4.5x0.5 [mm])を台座(Siウェハ ( 10x 10 [mm] ))に接着し、下記の塗布条件でレジストをスピンコートした。
使用レジスト : 950 PMMA A4,① 500 [rpm], 5 [sec],② 4000 [rpm], 40 [sec],③ Bake 180[℃] 90 [sec]
その後、下記の条件でEB描画を実行した。
フィールドサイズ:150 x 150 [um],分解能:60000 x 60000 [pixels],ピクセルサイズ:2.5nmx2.5nm,EB加速電圧:50eV,ナノホール形成のためのスポット照射条件(EBドース): 領域A : 9 [fC/spot],領域B : 15 [fC/spot],領域 C : 40 [fC/spot],領域 D : 50 [fC/spot],領域 E : 60 [fC/spot],領域F : 80 [fC/spot],領域 G : 100 [fC/spot].
アドレスマーク部分のEBドース: 0.01 [us/dot] = 8 [uC/cm2].パターンの概略は図1に示すとおりである。
結果と考察 / Results and Discussion
昨年度(22WS0102)に引き続いて異なるパターンの電子線描画をダイヤモンド基板表面に行った。したがって、電子線描画は早稲田大学スポークにおいて構築されたレシピを使用した。SEM観察によりレジストに潜像が形成されるため、パターン現像後のSEMによる確認は行っていない。現在、イオン注入と熱処理によって形成したNVセンターのパルス光磁気共鳴計測実験を進めている。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 ダイヤモンド基板表面に形成したEBパターン概略
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件