【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.29】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22UT1006
利用課題名 / Title
3D プリンティングと微細加工によるソフトマイクロスイマーの試作とマルチモーダル制御
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
3Dプリンター,ソフトスイマー ,マイクロロボット,遠隔操作,スパッタリング/Sputtering,蒸着・成膜/Evaporation and Deposition,MEMSデバイス/ MEMS device,アクチュエーター/ Actuator
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
黄 吉卿
所属名 / Affiliation
LIMMS/CNRS-IIS
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
肥後昭男,Beomjoon Kim,三田吉郎
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
水島彩子,井上友里恵,藤原誠,豊倉敦
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術補助/Technical Assistance(副 / Sub),共同研究/Joint Research
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
UT-804:UVオゾンクリーナー
UT-501:卓上アッシング装置
UT-913:UVレーザープリント基板加工装置
UT-710:ニッケルめっき装置
UT-711:LL式高密度汎用スパッタリング装置(2019)
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
本研究では、ミリメートルからマイクロメートルサイズで液中を制御された形で遊泳する「マイクロスイマー」、特に有機材料で物体を構成する「ソフトマイクロスイマー」の研究である。制御信号及び動力は外部より交流磁界として供給する。同分野でのマイクロスイマーを実用化するための課題は、空気中-液中を問わないシームレスな移動、複数スイマー物体の個別モーションコントロールおよびサーボ制御の自動化ならびにマニュピレータとしての活用である。本研究は、フランス共和国立科学研究センター(CNRS)が東京大学生産技術研究所に設けた国立研究所「LIMMS」の研究として武田先端知スーパークリーンルームと派遣元のC2N研究所の装置を相補的に利用して物体を作製し、動作実験に成功した。
実験 / Experimental
過去の研究では、一度の試作で1体のマイクロスイマーを試作していたが、本研究の目的である複数体の制御、さらに、最終目的である多数のスイマーの協調動作をかんがみると、同時に多数のスイマーをバッチ作製することが望ましい。そこで本研究では、図1に示す手法を用いてソフトスイマーの試作を行った。まず、ガラス基板上に、二光子吸収法によってポリジメチルメトキシシラン(PDMS)素材のU字状の構造を作製した。二光子吸収法による構造体試作はフランス共和国C2N研究所のNanoscribe装置を用いて行った。次に、ガラス基板を傾けてCr/Ni 10/300 nmのスパッタリングを行い、制御磁界への反応層を製膜した。
結果と考察 / Results and Discussion
図2(右)に、バッチ作製したマイクロスイマーの電子顕微鏡写真を示す。作製された素子は必要に応じてナノプローブで機械的に引きはがし、実験用ガラス基板上に移送した。Niのスパッタリング条件は以前東京大学拠点の装置で条件出しをしたものを用いた。最後に親水化処理を行った別のPDMS構造とガラスを貼り付けて流路を形成し、実験を行った。磁界を変化させることにより、U字形構造は上下左右前後に動くとともに、ピンセットのように開けたり閉めたりすることができるようになった。この自由度を用いてマイクロスイマーとしての性能向上実験を試みた。最終的に、磁界による制御に加え、気泡を構造で挟み込むことで浮力の力を加えることが出来るようになり、制御性を向上させること、ならびに微細なファイバー状の構造の把持移動に成功した。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 マイクロスイマーのバッチ作製手法(左)と作製されたスイマーの電子顕微鏡写真(右)
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
競争的資金JSPS Core-to-Core Program (JPJSCCA20190006)JST CREST JPMJCR20T2 JSPS KAKENHI KIBAN C (21K03931).
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
-
Dominique Decanini, 3D Printed Miniaturized Soft Microswimmer for Multimodal 3D Air-Liquid Navigation and Manipulation, 2023 IEEE 36th International Conference on Micro Electro Mechanical Systems (MEMS), , 21-24(2023).
DOI: 10.1109/MEMS49605.2023.10052220
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件