利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.29】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT1005

利用課題名 / Title

Programmable Matter:再構成可能なエネルギー自立マイクロロボットに向けたCMOS-MEMSチップレット集積

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者)/Internal Use (by ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

CMOS-MEM,Sチップレット,フレキシブル基板,自律分散マイクロシステム,リソグラフィ/Lithography,膜加工・エッチング/Film processing and Etching,スパッタリング/Sputtering,MEMSデバイス/ MEMS device


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

三田 吉郎

所属名 / Affiliation

東京大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

三角啓,グエン ユリアック,ブノワ ピランダ,ジュリアン ブルジョワ

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

肥後昭男

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-505:レーザー直接描画装置 DWL66+2018
UT-703:8インチ汎用スパッタ装置
UT-606:汎用平行平板RIE装置
UT-911:精密フリップチップボンダー
UT-900:ステルスダイサー


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

近年、大規模集積回路の試作・設計限界打破のための方法として、ひとまとまりの機能をLSIチップとして物理的に切り出し、チップレベル実装技術によってシステムを構成する「チップレット技術」が注目されている。MEMS分野では課題責任者による25年前のCMOS-MEMS融合研究において同一のコンセプト(マイクロコネクタによるCMOS-MEMS機能集積)が既に示されていたが、本研究ではこれらの潮流を踏まえて、応用先としてハーフセンチメートルよりも小さい(3.8mmφ)大きさに、センシング・コンピューティング・アクチュエーション・エネルギー要素を集積した「自律分散マイクロマシン」を設定し、必要となる「MEMSチップレットとLSIチップレットの超薄膜(数μm以下)フレキシブル基板を介した融合技術を開発したので報告する。 [1] Yoshio Mita et al., “Two Dimensional Micro Conveyance System with Through Holes for Electrical and Fluidic Interconnection”, 9th  International Conference on Solid-State Sensors and Actuators (Transducers '97), Chicago, USA, pp.37-40 (1997.06).

実験 / Experimental

課題提案者らが実現を試みているシステムは、図1に示す「Catom」と呼ばれる小物体である。この中にはマイクロプロセッサ、電池、静電アクチュエータが集積されている。静電アクチュエータは、自分と隣接したCatomを吸着するために使用される。小型の物体がお互いに吸着と脱離を行うことで、造形や三次元入力などの大きな動きをすることができるという自律分散システムである。多面体の表面に吸着する・吸着されるための微細加工電極が必要であり、また、内部で高電圧を生成するために、研究室で10年来開発済の高耐圧化太陽電池[2]LSIチップレットを使用する。これら構成要素を多面体の表面に実装するための方法として、有機薄膜(Parylene-C)によって膜構造を作製し、その中に配線電極およびアクチュエータ電極を作製し、3Dプリンティング造形したコア上に巻き付けることで実装する手法を考案した(図2)。  [2] Isao Mori et al., “Discharging-phototransistor-integrated high-voltage Si photovoltaic cells for fast driving demonstration of an electrostatic MEMS actuator by wavelength modulation”, Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 55, No.4S, p.04EF12 March (2016.2) doi: 10.7567/JJAP.55.04EF1

結果と考察 / Results and Discussion

武田先端知ビルスーパークリーンルームの多数の公開装置を利用してプロセス開発を行った。互換性、メカニカル安定性など様々な作製上の問題に遭遇したが、最終的に図3に示すCr-Au-Cr材料の3層サンドイッチ構造を用いたプロセスを行えば、最薄で250ナノメートルの薄さのパリレン薄膜上に電極をパターニングできることがわかった。さらに、チップレット実装では、Deep-RIE装置によって作製した集積用トレイに一旦LSIチップレットを仮配置して、複数のチップレットを同時に接合する手法も開発した(図4)。このようにして出来た「Flexiboard素子」を図5に示す。試作成果はDTIP国際会議およびJNTE(仏)国内会議で発表した。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig.1 Catom



Fig.2 Flexible+chiplets design



Fig.3 Flexible process



Fig.4 Batch chiplet integration concept



Fig.5 Fabricated integrated flexiboard


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Kei Misumi, Integration of a CMOS LSI Chiplet into Micro Flexible Devices for Remote Electrostatic Actuation, 2022 Symposium on Design, Test, Integration and Packaging of MEMS/MOEMS (DTIP), , 1-4(2022).
    DOI: 10.1109/DTIP56576.2022.9911739
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. Yoshio Mita et al., “Flexiboard: CMOS-MEMS chiplet integration with soft materials towards autonomous programmable matter”, Journee Nationale sur la Technologie Emergente (JNTE 2022), Besançon, France, 28/Nov-2/Dec (2022)
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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