【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2024.06.28】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22WS0107
利用課題名 / Title
45°ミラー付きポリマー光スイッチの作製
利用した実施機関 / Support Institute
早稲田大学 / Waseda Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
ポリマー導波路, 3次元造形, 光スイッチ,リソグラフィ/Lithography,蒸着・成膜/Evaporation and Deposition,光導波路/ Optical waveguide
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
桒田 椋
所属名 / Affiliation
早稲田大学理工学術院
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
松木 大翼
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
加藤 篤
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
WS-016:レーザー直接描画装置
WS-003:電子ビーム蒸着装置
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
ポリマーを用いた光機能デバイスは、低コスト光バイスとして期待されており、導波路のみならず光スイッチなどへの応用が検討されている。ポリマー光デバイスへの光ファイバからの光結合は、端面からポリマー光導波路への直接結合が通常であるが、最近進展してきた複数のコアを含むマルチコアファイバ(MCF)では端面光結合がそのままでは困難である。そこで、導波路光を面方向に光路変換することにより、面内2次元的に任意の位置に出力端を配置することができるので、MCFとの光結合も容易になると考えられる。そこで、このポリマー導波における水平光路から垂直への光路変換を行う45°ミラーを素子設計の自由度のあるレーザ直接描画装置を用いて作製を行い、基本的な光結合と光スイッチング動作を実現した。
実験 / Experimental
レーザ直接描画装置は、均一な露光だけで無く、場所に応じて露光量や露光高さをある程度任意に調整可能なため、フォトレジストを3次元的に造形することができる。用いたポリマーはSU-8であるが、UV光照射で露光部が残るネガ型フォトレジストとして機能させることができることから、45°の傾斜が付くように露光量を調整した。Fig.1に作製目標とした素子の模式図を示す。ネガ型フォトレジストを上方からUV照射して、所望の形状を形成することには条件に工夫が必要であるが、ある程度所望の形状が得られた。その後傾斜面に金膜を蒸着し、高反射面とした後に導波路や光スイッチを作り込み、単一モードファイバでの光結合を試みた。
結果と考察 / Results and Discussion
Fig.2に、作製した45°ミラーが形成されたSU-8の土台部とそれに接合したポリマー単一導波路の上面写真を示す。土台の左側に45°ミラーが形成されている。光スイッチはマッハツェンダ(MZ)型であり、光スイッチングのためのアーム導波路の屈折率変化はヒータにより行った。このミラー面上方に単一モードファイバをアライメントし、アーム導波路のヒータへの投入電力と光スイッチング出力特性をFig.3に示す。消光比は異なるもののTE及びTMモードによらず同じ電力での偏光無依存光スイッチングが得られた。今回用いたレーザ直接描画装置の効果については、作製した45°ミラーの断面の詳細な観察はされていないが、予備実験ではミラ底部と上部でやや湾曲が見られ、ネガ型フォトレジストへの所望3次元構造形成のためにもう少し条件の詰める必要が感じられるが、有望な結果が得られた。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig.1 ポリマー45°ミラー付きMZ型光スイッチ
Fig.2 ポリマー45°ミラーの上面写真
Fig.3 光スイッチング特性
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
レーザ直接描画装置の操作や基本的条件などでご指導頂いた加藤篤先生に感謝致します。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
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Ryo Kuwata, Low-Power Switching of Polymer Mach-Zhender Type Optical Switch with 45° Mirror for Vertical Interconnection, 2023 International Conference on Photonics in Switching and Computing (PSC), , 1-3(2023).
DOI: https://doi.org/10.1109/PSC57974.2023.10297259
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- R. Kuwata, Q. Su, H. Oshima, Y. Matsushima, H. Ishikawa, and K. Utaka, “Low-loss optical coupling between polymer single-mode waveguide and single-mode fiber using 45 ° mirror”, Proc. 27th OptoElectronics and Communications Conference (OECC2022), /Conf. on Photonics in Switching and Computing (PSC2022), MD2-4, 2022.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件