【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2024.06.28】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22WS0105
利用課題名 / Title
ダイヤモンド上オンチップマイクロ波アンテナの作製
利用した実施機関 / Support Institute
早稲田大学 / Waseda Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
ダイヤモンド,NVセンター,オンチップアンテナ,高周波デバイス/ High frequency device,蒸着・成膜/Evaporation and Deposition,スピントロニクスデバイス/ Spintronics device
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
臼井 俊太郎
所属名 / Affiliation
早稲田大学理工学術院
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
上田 優樹,大谷 和毅,津川 雅人,齋藤 大樹, 三宅 悠斗
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
星野勝美
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
ダイヤモンド中のNVセンターの電子スピンは優れたスピン特性を持つことからナノNMR用の磁気プローブとして注目されている。標的核スピン検出には,一般に105 回ほどパルスシーケンスが繰り返し実行されるが,その間,照射レーザ強度,照射マイクロ波強度,および,静磁場強度を一定に維持する必要がある。中でも,マイクロ波の照射には,ダイヤモンド表面と対物レンズとの間に挿入できる直径約20 µmのCuワイヤが用いられることが多い。この方法は,何度も張り直して位置を調整できる利点を持つが,測定中に位置ずれを起こしやすく,それがマイクロ波強度の変化をもたらし,結果としてナノNMR計測精度を劣化させる。そこで本研究では,マイクロ波照射用のCuワイヤをダイヤモンド表面に蒸着により作製し,それを用いた場合の量子操作の安定性および再現性を評価した。
実験 / Experimental
単一NVセンター配列を形成したダイヤモンド基板表面に,Ti / Cu / Ti (10 nm厚 / 200 nm厚 / 10 nm厚)の薄膜を蒸着し, フォトリソグラフィーとウェットエッチングによって細線(線幅 60 μm)のマイクロ波照射用アンテナを形成した。
結果と考察 / Results and Discussion
上記のプロセスを通してダイヤモンド基板表面にマイクロ波用のオンチップアンテナを形成した(Fig.1 (a))これにより,NMRプローブとするNVセンターとマイクロ波照射用のアンテナとの間の距離が一定となり,パルスODMR計測中のマイクロ波強度を一定に維持することが可能となった。Fig.1 (b)は,Lab-madeのレーザ走査型共焦点顕微鏡を用いてパルス光磁気共鳴計測により取得した,ダイヤモンド表面近傍の単一NVセンターの電子スピンのRabi振動計測結果である。若干のRabi振動周期の時間変化は,Nd磁石の固定治具の熱ドリフトによる静磁場強度の変化に由来するものと考察される。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1 (a) Optical microscopy image of the on-chip microwave antenna fabricated on the diamond surface. (b) Measurements of Rabi nutation using the on-chip microwave antenna.
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
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Yuki Ueda, Detecting nuclear spins in an organosilane monolayer using nitrogen-vacancy centers for analysis of precursor self-assembly on diamond surface, Japanese Journal of Applied Physics, 62, SG1049(2023).
DOI: https://doi.org/10.35848/1347-4065/accc91
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 臼井 俊太郎, 上田 優樹, 大谷 和毅, 津川 雅人, 齋藤 大樹, 三宅 悠斗, 品田 高宏, 谷井孝至: NVセンターを用いたパルスODMR長時間計測のためのダイヤモンド上オンチップマイクロ波アンテナの作製,第70回応用物理学会 春季学術講演会
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件