利用報告書 / User's Report

【公開日：2023.07.28】【最終更新日：2023.05.19】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22HK0104

利用課題名 / Title

プラズモン／層状化合物ナノ構造の分光特性

利用した実施機関 / Support Institute

北海道大学

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用（ARIM事業参画者以外）/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】（主 / Main）加工・デバイスプロセス/Nanofabrication（副 / Sub）計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】（主 / Main）量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions（副 / Sub）-

キーワード / Keywords

蒸着・成膜/Evaporation and Deposition,ALD,スパッタリング/Sputtering,リソグラフィ/Lithography,EB,膜加工・エッチング/Film processing and Etching,電子顕微鏡/Electron microscopy,フォトニクス/ Photonics


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名（課題申請者）/ User Name (Project Applicant)

上野 貢生

所属名 / Affiliation

北海道大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

坂本ひより,黒澤広大,野本直也,Su Ya,髙橋 彩,高橋佑輔,秋葉千明,Shen Ziyi,長嶋もも,今枝佳祐,龍﨑 奏

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

松尾保孝

利用形態 / Support Type

（主 / Main）機器利用/Equipment Utilization（副 / Sub）-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

HK-404：超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡
HK-601：超高精度電子ビーム描画装置(100kV)
HK-610：コンパクトスパッタ装置
HK-616：原子層堆積装置
HK-621：反応性イオンエッチング装置


報告書データ / Report

概要（目的・用途・実施内容）/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

本研究では、層状化合物であるグラフェンのナノ構造を作製して赤外波数域におけるプラズモン特性を明らかにするとともに、分子振動モードとのFano共鳴を利用した化学センサーを構築することを目的とする。また、発光性の遷移金属ダイカルコゲナイド層状化合物とプラズモンナノ構造との相互作用を明らかにし、発光デバイス、波長変換デバイス、および光エネルギー変換デバイスに応用することを目的とする。

実験 / Experimental

電子ビームリソグラフィー／反応性イオンエッチングによりグラフェンのナノ構造を作製した。また、MoS2やWSe2単層の薄片上に電子ビームリソグラフィー／リフトオフ法により金ナノ構造を作製し、種々の分光特性を検討した。なお、今年度は、あらかじめガラス基板上に上記の方法で金ナノ構造を作製し、その後にCVD合成した遷移金属ダイカルコゲナイド層状化合物の薄片を積層する方法も用いた。また、MoS2とWSe2の薄片を積層したファンデルワールスヘテロ構造の作製も行った。作製した金ナノ構造／遷移金属ダイカルコゲナイド層状化合物やそのヘテロ構造を用いて種々の分光特性を検討した。

結果と考察 / Results and Discussion

電子顕微鏡観察からグラフェンナノ構造が精緻に作製できていることを確認した。顕微FT-IRによる測定から、グラフェンナノ構造が中赤外波数域においてプラズモン共鳴を示すことを明らかにした。一方、金ナノ構造／MoS2または金ナノ構造／WSe2ナノ構造においてプラズモン共鳴に基づく顕著な発光増強が観測された。フェムト秒レーザー照射に基づいて発生した第二高調波の作用スペクトルを測定したところ、光電場増強が大きい波長域において第二高調波の強度が高くなることを明らかにした。ヘテロ構造に関しては、電荷移動準位に由来する顕著なバンドがWSe2よりも長波長側に生じた。次年度は、プラズモンとの共鳴条件下において、遷移金属ダイカルコゲナイド層状化合物ヘテロ構造の電荷移動準位からの発光特性について検討する予定である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項（参考文献・謝辞等） / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング（DOIのあるもの） / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Hiroki Ago, Science of 2.5 dimensional materials: paradigm shift of materials science toward future social innovation, Science and Technology of Advanced Materials, 23, 275-299(2022).
    DOI: 10.1080/14686996.2022.2062576
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. Hiyori Sakamoto, Takahiko Endo, Yu Sun, Keisuke Imaeda, Sou Ryuzaki, Yasumitsu Miyata, Kosei Ueno, "Photoluminescence properties of Au-nanostructure loaded transition metal dichalcogenide", The 13th Asia-Pacific Conference on Near-Field Optics (APNFO13), PO29-10, Sapporo, July (2022).
  2. Aya Takahashi, Hiyori Sakamoto, Hiroki Takeuchi, Yu Sun, Keisuke Imaeda, Sou Ryuzaki, Kosei Ueno, "Nonlinear spectroscopy of coupled plasmonic nanostructures", The 13th Asia-Pacific Conference on Near-Field Optics (APNFO13), PO29-17, Sapporo, July (2022).
  3. Naoya Nomoto, Yu Sun, Keisuke Imaeda, Sou Ryuzaki, Kosei Ueno, "Fabrication and spectral properties of graphene plasmonic nanostructures in the mid-infrared region", The 13th Asia-Pacific Conference on Near-Field Optics (APNFO13), PO29-19, Sapporo, July (2022).
  4. Kota Kurosawa, Yu Sun, Keisuke Imaeda, Sou Ryuzaki, Kosei Ueno, "Fabrication and spectral properties of Au nanoparticles-loaded transition metal dichalcogenide compounds", The 13th Asia-Pacific Conference on Near-Field Optics (APNFO13), PO29-22, Sapporo, July (2022).
  5. 野本直也, 秋葉千明, 今枝佳祐, 龍﨑 奏, 上野貢生, "グラフェンプラズモニックナノ構造の創製と分光特性", 2022年光化学討論会, 1P47, 京都大学, 9月 (2022).
  6. 坂本ひより, 今枝佳祐, 龍﨑 奏, 上野貢生, "Au/遷移金属ダイカルコゲナイドナノ構造体の発光特性", 2022年光化学討論会, 2P42, 京都大学, 9月 (2022).
  7. 髙橋 彩, 坂本ひより, 黒澤広大, 今枝佳祐, 龍﨑 奏, 上野貢生, "金ナノ構造-遷移金属ダイカルコゲナイド結合系の非線形分光計測", 2022年光化学討論会, 2P45, 京都大学, 9月 (2022).
  8. 黒澤広大, 坂本ひより, 今枝佳祐, 龍﨑 奏, 上野貢生, "金ナノ粒子-遷移金属ダイカルコゲナイド結合系の分光特性", 2022年光化学討論会, 2P47, 京都大学, 9月 (2022).
  9. 野本直也, 今枝佳祐, 龍﨑 奏, 上野貢生, "グラフェンナノ構造の赤外プラズモン特性と基板による影響", 日本化学会第103春季年会, K204-2am-10, 東京理科大学, 3月 (2023).
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications：0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents：0件

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