【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.04.27】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22WS0098
利用課題名 / Title
イオンビームスパッタにより成膜したSiO2膜の特性評価
利用した実施機関 / Support Institute
早稲田大学 / Waseda Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
スパッタ, SiO2厚膜,光学顕微鏡/Optical microscopy,スパッタリング/Sputtering
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
齋藤 敦史
所属名 / Affiliation
AGC株式会社
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
佐野耕平
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
星野勝美,野崎義人
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術相談/Technical Consultation(副 / Sub),技術代行/Technology Substitution
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
イオンビームスパッタ法(IBS)は、通常のスパッタ法と比較してプロセス圧力が1桁から2桁程度低く、平均自由工程が長くなる。そのため、スパッタされた粒子は基板到達までに粒子散乱の影響が少なく、初期のエネルギーのまま基板に到達するため、特異的な薄膜を作製することが可能である。また、基板への入射角の指向性に優れているためパターニングした基板への埋め込みについても、通常では得られない特徴を有することが考えられる。
今回、IBSを用いて合成石英基板上にSiO2薄膜を成膜し、所望の膜質が得られるか検証した。
実験 / Experimental
ターゲットはSiO2を使用し、プロセスガスとしてArを15 cm3/minで導入し、イオン源は950 V 80 mAで プラズマを発生させた。基板は合成石英を使用し、未加工品と溝形状 (深さ2.5 μm、幅 2.5 μm) にパターニングしたサンプルの2種をセットした。狙い膜厚は2.5μmとし、プロセス中の基板温度上昇を考慮して、クーリング時間を設けて4段階で成膜を行った。成膜後の評価として段差計による膜厚確認、レーザー顕微鏡を用いた外観観察による膜剥がれ等の評価、電子顕微鏡による埋め込み状況の確認を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
段差計による膜厚確認により厚み2.53 μm が成膜されており、所望の膜厚が得られていることが分かった。また、レーザー顕微鏡による外観観察を行った結果、ひび割れ等の欠陥が無いことが分かった。レーザー顕微鏡写真をFig.1に示す。膜厚が2.53 μmとドライプロセスによる成膜としては厚膜となるため、応力起因による膜剥がれの懸念もあったが、今回の成膜では膜剥がれ、ひび割れ等の欠陥が発生していないことを確認した。
また溝形状への埋め込み検討においては、溝底部への堆積は2 μm程度であり、2.5 μmの深さを完全に埋め込めてはいないものの、ボイド等の形成もなく良好な埋め込みができていることを確認した。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1 レーザー顕微鏡写真
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
・参考文献
Akimori Tabata et al., Thin Solid Films Volume 289, Issues 1–2, 30 November 1996, Pages 84-89
イオンビーム応用技術編集委員会, 「イオンビーム技術の開発」, シーエムシー出版, 1989
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件