【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.10.23】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22WS0102
利用課題名 / Title
ダイヤモンド中の浅いNVセンター規則配列の形成
利用した実施機関 / Support Institute
早稲田大学 / Waseda Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
ダイヤモンド, NVセンター,リソグラフィ/Lithography,EB,量子効果/ Quantum effect,量子コンピューター/ Quantum computer
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
小野田 忍
所属名 / Affiliation
量子科学技術研究開発機構
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
谷井孝至,加藤篤
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
ダイヤモンド中のNV(窒素空孔)センターは、室温で利用できる量子ビットとして知られている。NVセンターの量子特性、特にコヒーレンス時間を長くすることは、NVセンターを量子ビット・量子センサーとして利用する上で最も重要な課題である。本研究では、EBリソグラフィ装置等を利用してダイヤモンド表面に窒素イオン注入用レジストマスクを作製し、ダイヤモンド中に浅いNVセンター規則配列を形成する。形成したNVセンター規則配列の量子特性を評価し、コヒーレンス時間の長いNVセンターの形成条件を探索する。
実験 / Experimental
水素アニール処理(H2:Ar=0.04:0.96)を900℃、30分行い、単結晶ダイヤモンド基板表面を水素終端化した。PMMAレジストを1000rpmで塗布、ホットプレート(180℃)で5分間のベークを行った。電子線描画装置のCADを用いて図1のパターンを形成し、PMMAレジスト中にナノホールレジストマスクを形成した。アドレスナンバー(A~G) の位置に異なる直径のナノホールを配列形成するために異なる電子線量(9fC/spot~100fC/spot)を照射して、直径40nmから100nmのナノホールをPMMAレジスト膜中に形成した(図2)。
結果と考察 / Results and Discussion
表面に電子線描画、窒素イオン注入、およびアニール処理によってダイヤモンド表面に配列形成したNVセンターは、行と列を指定するアドレスナンバーと特性評価対象となる単一NVセンターとを同時に同じ深さに形成できるというプロセスの特徴から、共焦点顕微鏡を用いたパルスODMR計測において、形成したNVセンターの特性をダイヤモンド基板に施したプロセス履歴に応じて追跡する。現在、電子線描画を終えた段階であり、これからイオン注入と熱処理を行ってNVセンターを形成する計画である。温度と時間を変えた熱処理を施し、NVセンターの特性(電荷安定性、量子コヒーレンス)の変化を調べる。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1EB描画パターン
図2 PMMAレジスト中に形成したレジストパターン
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 三宅悠斗、上田優樹、大谷和毅、津川雅人、齋藤大樹、臼井俊太郎、 品田高宏、寺地徳之、小野田忍、川原田洋、谷井孝至 "ダイヤモンド中のNVセンター電子スピンを用いた有機シラン単分子膜中の核スピン検出" 量子生命科学会第5回大会,2023年5月18日,大阪大学豊中キャンパス
- 関口 顕,津川 雅人,臼井 俊太郎,齋藤 大樹,三宅 悠斗,寺地 徳之,小野田 忍,田中 学,品田 高宏,川原田 洋,谷井 孝至 ”NV センターとフリーラジカルの DEER 計測" 2023年9月20日 熊本城ホール-熊本
- Masato Tsugawa , Ken Sekiguchi, Shuntaro Usui, Daiki Saito, Yuto Miyake, Tokuyuki Teraji, Shinobu Onoda, Takahiro Shinada, Manabu Tanaka, Hiroshi Kawarada and Takashi Tanii "Double electron-electron resonance between NV centersand free radicals" 36th International Microprocesses and Nanotechnology Conference (MNC 2023), November 17, 2023, Sapporo-Hokkaido
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件