利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.08】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22KT0048

利用課題名 / Title

金属ナノ粒子担持型触媒のTEM観察

利用した実施機関 / Support Institute

京都大学 / Kyoto Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

金属ナノ粒子,不均一触媒,電子顕微鏡/Electron microscopy


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

山本 旭

所属名 / Affiliation

京都大学大学院人間・環境学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KT-403:モノクロメータ搭載低加速原子分解能分析電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

シリカをアンモニア水溶液中でニッケル錯体と反応させ、懸濁液を蒸発乾固させることによりシリカ表面にニッケルフィロシリケートが形成されることが知られている。本研究では、本手法により形成させたニッケルフィロシリケートの還元分解によりシリカ担持金属ニッケル微粒子触媒を調製し、この触媒が光加熱を利用したメタンのスチームリフォーミング反応に高い活性と安定性を有することを見出した。本検討では、TEMおよびSTEMによりニッケルフィロシリケートの還元分解により生成した金属ニッケルナノ粒子のモルフォロジー及び粒子サイズを調査した。

実験 / Experimental

球状シリカ(SiO2, 50 nm, Sciqas, 堺化学工業)担体へのNiナノ粒子の担持はアンモニア水溶液を用いた含浸法で行った。具体的には、塩基性炭酸ニッケルと担体を加えた28%アンモニア水溶液をスターラーで攪拌しながら80℃で蒸発乾固させ、乳鉢ですりつぶし粉末とした。得られた粉末を450℃で焼成し、その後に600℃で水素還元処理を施しNiナノ粒子担持触媒(20wt%Ni/SiO2)を得た。担持触媒試料は有機溶媒に分散させ、分散液を銅グリッドに滴下しTEM観察用の試料とした。TEM観察は,JEM-ARM200Fを用いて行った。

結果と考察 / Results and Discussion

アンモニアを用いた含浸処理によりニッケルフィロシリケートの形成がTEMおよびXRDから確認されており、これを水素還元処理することで金属ニッケルの回折線がXRDで観察されている。図1左には、還元処理後の20wt%Ni/SiO2試料のTEM像を示す。還元処理後には、5-10 nm程度の金属ニッケルナノ粒子が形成していることが分かった。また、アンモニアを用いない場合では、粗大なニッケルナノ粒子が観察されており、ニッケルフィロシリケートを経由することで微細なニッケルナノ粒子が生成しているものと考えられる。ニッケルの微細化により触媒反応の活性サイトである金属ニッケルナノ粒子の表面原子数が増加したことが高い活性が得られた要因であると考察した。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 水素還元処理後の20wt%Ni/SiO2触媒のTEM像(左)とSTEM像(右)


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

TEMの試料作製およびTEM観察にご協力いただいた、京都大学化学研究所 先端ビームナノ化学センター 複合ナノ解析化学研究領域 清村勤氏に御礼申し上げる。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Wirya Sarwana, Photothermal steam reforming of methane over silica-supported nickel catalysts with temperature gradients, Catalysis Science & Technology, 13, 1755-1762(2023).
    DOI: 10.1039/D2CY01721K
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る