【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.04.28】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22KT0024
利用課題名 / Title
フォトレオロジカル流体を用いた新しい研磨法の開発
利用した実施機関 / Support Institute
京都大学 / Kyoto Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)その他/Others(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
研磨,フォトレオロジカル流体,電子顕微鏡/Electron microscopy
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
西崎 悠樹
所属名 / Affiliation
京都大学大学院工学研究科マイクロエンジニアリング専攻
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
小川哲也
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
フォトレオロジカル流体は紫外線と可視光線によって粘度が変化する流体である.この流体には界面活性剤であるOHACと,光によって異性化するシストランス異性体のACAの二つが含まれている.OHACが作る構造が変化することによって粘度が変化すると考えられる.そのため透過電子顕微鏡を用いた観察を行った.その結果,光による構造変化が明らかになった.球殻上のベシクルを形成する場合は,絡み合うことがないため粘度が低くなる.この流体の二つの内容物の相対濃度によって紫外線照射時に粘度が高くなる場合と,可視光線照射時に粘度が高くなる場合がある.
実験 / Experimental
紫外線照射および可視光照射下でOHAC界面活性剤が形成する構造を調べるため、PR液の2サンプルを超低温高分解能透過電子顕微鏡(JEM-2100F(G5)、日本電子株式会社)で観察した。まず、ACAを表に示す濃度となるように水に添加した。ACAに対して10%過剰のNaOHを添加し,ACAを塩とした。次に,これにOHACを表2.2に示す濃度になるように添加した。最後に,これらの試料をホットプレート(45℃)の上で30分間強く攪拌した。 その後,室温で1日攪拌した。攪拌したサンプルに紫外線と可視光線を照射した後観察を行った.
結果と考察 / Results and Discussion
結果を図に示す.サンプル1では紫外線照射時にはなにも観察することはできなかった.一方で可視光線照射時には二重膜層が球殻状に並んだベシクルを形成する.ベシクルは球状であるため絡み合うことがなく,粘度が低くなると考えられる.サンプル2では紫外線照射時にベシクルが観察され,可視光線照射時には何も観察されなかった.以上のことから二つの物質の相対濃度に応じて,紫外線照射時に粘度が上昇する場合と可視光線照射時に粘度が上昇する場合がある.粘度が低いときPR流体の構造はベシクルとなっている.
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Table 1. Concentrations of PR fluid samples
Fig. 1. The structures of PR fluid (sample 1). (a) UV light irradiation (b) Visible light irradiation
Fig. 2. The structures of PR fluid (sample 2) (a) UV light irradiation (b) Visible light irradiation
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- Y. Nishizaki, A. Beaucamp, "Novel polishing process based on photo-rheological fluids", ICPE2022 (Nara), 令和4年11月30日
- 西崎悠樹, "フォトレオロジカル流体を用いた新しい研磨法の開発" 2022年度砥粒加工学会 学術講演会 (横浜) 令和4年8月
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件