【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.08】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22GA0018
利用課題名 / Title
有機物質を含む可視帯微小共振器の作製
利用した実施機関 / Support Institute
香川大学 / Kagawa Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
成膜・膜堆積,形状・形態観察,分析,共振器,ポラリトン,フォトニクス・プラズモニクス/Photonics and Plasmonic
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
鶴町 徳昭
所属名 / Affiliation
香川大学
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
森下修平,土井淳平,日野直人,木下花菜,中谷柊吉,池田凱琳,大西唯斗
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
GA-003:スピンコータ-
GA-004:デュアルイオンビ-ムスパッタ装置
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
アルミニウムによる金属鏡あるいはSiO2、TiO2などによる誘電体多層膜鏡を作製し、それらを用いて有機分子を含む可視域の微小共振器構造を作製した。そして透過・発光測定などによりスペクトル幅の広い色素分子における超強結合状態の光学特性を調べた。特に、ポラリトン分枝間発光が測定可能な構造として、共振器の第二モードと色素分子の共鳴を一致させた構造を検討した。
実験 / Experimental
デュアルイオンビ-ムスパッタ装置(ハシノテック社製 10W-IBS)を用いてガラス基板上にアルミニウムを成膜し、ミラーを作製した。一方のミラー上にスペクトル幅が広いLemke色素を単分散させたPVA薄膜をスピンコーター(ミカサ社製、 1H-DX2)を用いて塗布して、もう一方のミラーを向かい合わせに貼り合わせることで可視光域の微小共振器構造を作製した。そして、上記の試料において発現した共振器ポラリトンの透過スペクトルを測定した。
結果と考察 / Results and Discussion
これまで今回作製したのは、共振器長を通常の2倍とすることで、共振器の第1ピーク(基本モード)を分枝間遷移(Rabi分裂)エネルギーと一致するようにし、かつ共振器の第2モードと励起子共鳴エネルギーを一致させるというものである。この構造によりこれまで観測されたことがないポラリトン分枝間発光の観測が可能となる。Fig.1に作製した試料の透過スペクトルを示す。本研究で用いているLemke色素の励起子共鳴エネルギーは2.42 eV(その半分が1.21 eV)であり、今回得られたRabi分裂エネルギーは0.97 eV程度であった。一方、第1ピークは1.07 eVに出現し、これらは若干ずれているが、ピークの幅が広いため、十分観測が可能な範囲に入っている。今後は発光測定を行い、ポラリトン分枝間発光の観測を目指す。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1 有機色素を含む金属鏡ファブリーペロー微小共振器の透過スペクトル
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件